総社宮

総社市総社2-18-1(平成21年8月24日)

東経133度45分24.73秒、北緯34度40分23.4秒に鎮座。

 この神社は東総社駅の南西約300mに鎮座しています。272号線に東参道入口があり、社殿に向かって正面方向なので表参道かと思われますが、南参道入口には社号標が建ち、随神門、長廊下が作られ、駐車場からも近く、現在はこちらの参道の方が主流かと思われます。
 境内東側は古代様式を今に伝える前庭の三島式庭園・沼田池が大半を占めており、老松の姿や、社殿から三方に伸びる長廊下が湖面に映る様は優雅そのものです。
 拝殿正面長廊下の梁には「天ノ岩戸開キ神々」の神楽面が飾られ、拝殿、幣殿、本殿ともに大きな社殿が建立され、本殿脇には長屋のような寄宮が祀られています。その他、沼田池南・沼田池西や沼田池内の島・社殿南の広場・社殿北の森に多数の境内社が祀られ、特に沼田池南の沼田神社(沼田天満宮)は式内社・野俣神社の論社となっています。
 全国各地の総社を多数見てきた中で、かなりの規模で縮小されたり、氏子地域を持たないために寂れた感が強い神社もありましたが、この社は総社市の総社・中央・福井・駅前・井手・金井戸・真壁・福井新田・大谷・刑部・泉・小寺の一部 地域が氏子となり、昔のままの規模と佇まいが残された数少ない総社と言うことで、市の重要文化財に指定されています。
 又、東参道に二対、南参道に一対、木野山神社に狼と合計四対の狛犬(含む狼)がいて狛犬ファンにもお勧めの神社です。

 御祭神:大己貴命、須世理姫命、配祀:高皇産靈神、神皇産靈神、魂留産靈神、生産靈神、足産靈神、大宮能賣神、御膳神、事代主神、備中国内三百四社
 祭礼日:10月第3日曜日
 境内社:寄宮、沼田神社(沼田天満宮)、笑主神社、地神、祇園神社、厳島神社、琴平神社、和霊神社、清正公神社、荒神社、大神神社、木野山神社、稲荷神社、池上鎮守
 由緒:旧縣社で、創建はその昔国司が国中の神社巡拝の煩わしさを解除するため国府近くに総社を建てた。その時期は大化から平安末期とされている。それ以前は当地には野俣神社(延喜式神名帳に記載の神社で現在の沼田神社)があった。
 鎌倉時代に梶原景時が守護として赴任し長刀を奉納したころより国衙(くにが)の役人達により祭祀がなされた。 室町時代には福山の戦いで社殿を焼失。その後1429年のご造営帳によると管領細川家の力で再建されてより門前市ができ 門前町として発展し、また氏神信仰の高まりとともに總社大明神と称された。
 天正年間に兵火で焼失し再建。中国地方の大名毛利家の信仰篤く 当所清水の領主清水宗治が社司代となり 当地に派遣された毛利元清が当社で戦勝祈願をして長刀を奉納 家臣たちも30数刀の刀剣を奉納。小早川隆景が具足を奉納され、多数の信仰者が増した。
 貞享4年(1687)水谷伊勢守により材木の寄進をうけ本拝殿が再建され、彩色二四孝の絵馬が奉納されてより商家の信仰が増して豪商西戎屋等が京都の一流の画家(円山応挙、大原呑舟等)の描いた絵馬が奉納されるなど社頭も繁栄した。
 明治5年に県社となり終戦までは県の保護を受けたが戦後は社格は廃止され、今は氏子崇敬者により神社が維持されている。各国の総社が 衰退する中で原型がよく残っていることから平成6年総社市の重要文化財に指定された。
(「岡山県神社庁公式サイト」より)

東参道入口
東参道入口にいる安政6年生まれの玉乗り狛犬
大きな玉に乗って、遠くを見渡すためかかなり首を伸ばしています。穏やかな顔つきで、阿は補強のためか口中に玉か柱のような物が入っています。爪の先まで丁寧に彫られた狛犬です。剥落が始まっており、このままでは何れ石塊になってしまうのでしょうが、惜しい気がします。
狛犬の拡大写真はこちらで
(安政6年(1859)己未9月建立)
東参道の様子
東参道途中にいる建立年代不明の狛犬
浪速狛犬ですが、随分大きな顔でややメタボな体型をしています。
狛犬の拡大写真はこちらで
拝殿
拝殿正面
拝殿正面長廊下の梁に飾られている「天ノ岩戸開キ神々」神楽面
幣殿
本殿左右から
境内社:寄宮
沼田池南に祀られている境内社三社入口の明神鳥居
境内社:沼田神社(沼田天満宮)
 
境内社:笑主神社
 
境内社:地神
沼田池西に祀られている境内社

境内社:祇園神社
 
境内社:厳島神社
 
 
社殿南・長廊下西に祀られている境内社

境内社:琴平神社
 
 
境内社:和霊神社
 
境内社:清正公神社
 
境内社:荒神社
 
境内社:大神神社
 
社殿北に祀られている境内社入口
境内社:木野山神社
 
木野山神社を護る御眷属・狼さん
建立年代はありませんが、奉納者が屋号と名前のみなので、江戸時代の物と思われます。
狼の拡大写真はこちらで
境内社:稲荷神社
 
境内社:池上鎮守
神楽殿
古代様式を今に伝える前庭の三島式庭園・沼田池
南参道から随神門を経て拝殿へと続く長廊下
南参道に建立されている随神門
南参道の様子
社号標
「式内沼田神社」
南参道入口に立つ明神鳥居 社号標
「縣 總社神社」
南参道入口にいる文化2年生まれの浪速狛犬
狛犬の拡大写真はこちらで
(文化2年(1805)乙丑冬12月建立)
南の社頭