総社宮

岡山市中区祇園596(平成21年8月22日)

東経133度57分25.98秒、北緯34度41分47.61秒に鎮座。

 この神社は旭川左岸、県道219号原藤原線「祇園西」交差点の北東300mに鎮座しています。入口の神橋を渡ると慶応3年生まれの浪速狛犬が護る深い森の中を参道が通り、境内入口には随神門が建立されています。と、ここまでは素晴らしい景観の神社だったのですが、生憎現在境内では社殿の再建中で、境内にはプレハブが建ち、社殿にはシートが被せてあります。社殿は平安時代様式で、耐用年数500年、200年後には文化財の指定も受けられる様な造りになる予定だそうで、出来上がるのが楽しみではありますが、何時再訪出来るやら…。

 御祭神:大己貴命、須勢理比売命、神社宮八神
 祭礼日:1月3日・歳旦祭、4月第3日曜日・春祭、10月21〜23日・秋祭
 由緒:総社とは多くの神社のご祭神を合祀した神社。古代律令制下、国司が朝廷の命で任国に派遣され、国府でその国を治めた頃のこと、当時は祭政一致の頃で、国司は国内の神社を巡拝しなければなりませんでした。ところが、広範囲の地域に点在する神杜を全部巡拝するとなると、大変なことだったろうと想像出来ます。
 そこで、考えついたのが国内の神社のご祭神を一ケ所に集めてお祭りすることでした。これによって、巡拝のてまを省いたわけです。この国内の神社のご祭神を一ケ所に集めたお宮を総社といいます。したがって、国府のそばにはかならず総社があります。総社は発祥の由来からして、その国一番のお宮であったことが想像できます。
 岡山県には、備前、備中、美作の三つの国がありましたので、総社も三社あります。県内にはこの他に総社とよばれるお宮はありますが、それは郡や村単位の総社です。当宮は備前国の総社で通称備前国総社宮といわれています。創建年代は不祥ですが、平安時代の初期と推定されています。備前国庁の祭典の場所として設けられ、備前国内(北は赤磐郡吉井町、東は和気郡・邑久郡、南は玉野市・小豆島、西は岡山市一宮)128神社のご祭神が合祀されています。そのことから当宮へお参りすると一度に128の神社にお参りしたことと同じといわれております。現在の建物は江戸中期の再建で、往時の面影はありませんが、江戸時代当時の一般的な神社建築の形態をよく残しています。昭和5年11月、陸軍大演習の際に昭和天皇陛下が玉歩を進め遊ばされた神社です。
 主な合祀神社:八幡雄島神社、吉備津彦神社、安仁神社、神根神社、布勢神社、片山日子神社、石門別神社、高蔵神社、深田神社
(「岡山県神社庁公式サイト」より)

社頭
参道途中の明神鳥居
参道途中にいる慶応3年生まれの浪速狛犬
優しくてとても可愛い狛犬です。体表は滑らかで、尾の先は補強の為か背に付けてあります。
狛犬の拡大写真はこちらで
(慶応3年(1867)9月吉日建立)
境内入口
随神門
境内の様子
ただ今、市指定文化財だった社殿の再建中のようで、境内中央にはプレハブが建ち、社殿にはシートが被せてあります。
其のシートの隙間から再建中の社殿を見せていただきました。
境内左側の境内社 境内右側の境内社
随神門にこの様な張り紙がしてありました。 地神社(社日)