吉川八幡宮

加賀郡吉備中央町吉川3932(平成21年8月20日)

東経133度45分17.5秒、北緯34度48分59.24秒に鎮座。

 この神社は307号線沿いに鎮座しています。神社入口一番手前に狛犬がおり、めおと綯いの注連縄が架かる鳥居を潜り、県指定文化財の随神門を入ると境内です。境内には長床を縦に置き換えたような県指定文化財の拝殿と、五間三間入母屋造りで国指定重要文化財の本殿が厳かに建立されています。案内に中世建築の特徴が色濃く残された社殿とありますが、本当に変わった感じの社殿でした。又、本殿右側には境内社が祀られ、赤い木肌が特徴の御神木も見応えがあります。
 大変良く整備清掃された清々しい神社でした。

 御祭神:応神天皇、仲哀天皇、神功皇后、楽楽森彦命、猿田彦命
 祭礼日:祈年祭・勧学祭・4月5日、献燈祭・8月16日、吉川八幡宮當番祭・10月1日から10月29日までの約1か月間(10月1日迎え當・當指し、10月20日〜10月21日こりとり・口開祭、10月25日刈屋打、10月27日宵宮祭、10月28日例大祭・當番行列・走り競べ、10月29日ハクケあげ祭)、新嘗祭・11月28日
 境内社:稲荷宮、若宮社、事代主神等
 由緒:永長元年(1096)に京都の石清水八幡宮の別宮として、創建された。祭神は応神天皇、仲哀天皇、神功皇后を祀っている。
 「石清水八幡宮文書」によれば、備仲国吉川保に御調別宮、椙原とがあった。 平安時代末期吉川が石清水八幡宮の荘園であったことから両神社の関係は特別深かった。鎌倉時代に書かれた「古事談」によれば石清水八幡宮の楽人、元正が当社の大祭にはるばる下向し、秘楽を奉納したといわれる。
 本殿は国指定重要文化財で平成9年から平成10年8月まで、全面解体修理が行われた。解体の際に応永2年(1395)再建当時の建築工具としてしては縦引き鋸が無く、縦一列にノミを打ち込んで割る工法の部材が全国で初めて発見された。(町指定)
 當番祭は毎年10月1日に迎え當、當指しではじまり(10歳前後の男児2名を當番様として決めて)こりとり、口開(くちあけ)祭、走り競べ神事、ハクケあげ祭と約1月間続く祭りである。これは岡山県無形民俗資料に指定されている。拝殿・随神門は岡山県指定文化財である。
 旧県社に列格した。
(「岡山県神社庁公式サイト」より)
 御祭神に耳慣れない楽楽森彦(ささもりひこ)命が祀られていますが、この神は当国の県主であり、吉備津彦の吉備平定に貢献され、又、吉備津彦命の后となった高田媛命の父神だそうです。

社頭
入口にいる文久元年生まれの構え獅子
出雲の構え獅子とはうって変わって、とても愛嬌のある可愛い顔つきをしていて、後ろ脚も短いですね。
狛犬の拡大写真はこちらで
(文久元年(1861)3月下旬日建立)
明神鳥居とめおと綯いの注連縄 社号標
県指定文化財の随神門
境内の様子と社殿全景
県指定文化財の拝殿 正面と側面
ここにもめおと綯いの注連縄が架けられています。
拝殿目貫彫刻・龍
拝殿木鼻・狛犬と象
拝殿内の様子

国指定重要文化財の本殿
応永2年(1395)再建、平成8〜10年全解体修理
境内社入口 明神鳥居
境内社 境内社:稲荷宮
境内社:若宮社 境内社:事代主神
御神木