諏訪神社

西蒲原郡弥彦村上泉(平成18年5月3日)

 この神社は弥彦神社東脇を通る2号線で新潟市方面(北)に向かい、弥彦酒造を通り過ぎたら右折。120mほどで右側に鎮座しています。
 この神社の創建・由緒はわかりませんが、本社は長野県の諏訪湖の近くに位置する諏訪大社で、長野、新潟を中心に全国に573社の 広がりを持つ通称「お諏訪さま」です。今回新潟市を中心にかなりの数の神社を参拝してきたのですが、諏訪神社と神明神社の数の多さと、神社密度の高さには驚かされました。
 今まで諏訪神社は長野が中心と思っていたのですが、新潟特に信濃川沿いに多く点在しています。是には有る理由がありました。諏訪神社は信濃に鎮座している国土神で、御祭神の建御名方命は出雲系の大国主神の御子神です。本来は狩猟の神ですが、農耕時代になると勧農神となり、武家時代には武神となりました。この信州の神が信濃川を下って新潟の地に広く祀られているのは、信州文化の流入による物ですが、特に武田家が織田信長に攻め滅ぼされた戦国時代末期から、この地に移住し越後を開拓してきた信濃の豪族や浪士たちが、故郷の諏訪神社を勧請したことから、越後の産土神には諏訪社が多くなったと考えられます。武田家の家臣達の多くが徳川家に召し抱えられたのは知っていましたが、この時代、越後に定住した人たちも多数いたのですね。
 上泉諏訪神社は小さな丘の上に鎮座しているのですが、境内に小豊?城の碑があったので古い山城か出城跡に神社が建てられた物と思われます。階段の途中には踊り場のような平地があり、名前の分からない境内社が祀られていました。その上の境内には城の碑と年代不明の狛犬、挙鼻の龍と木鼻の狛犬の彫刻が見事な拝殿などが、静かで緑の木々が綺麗な佇まいを見せる中に建っていました。

神社入口と白木の両部鳥居 階段の参道
階段途中の平地に祀られる境内社 階段参道は未だ続きます
拝殿 本殿覆い屋と、左に末社。
挙鼻の龍は躍動感のある物でした。
優しげな木鼻の狛犬。
建立年代不明のおでこな老成狛犬。
この石工さんの狛犬は矢作神社にも建立されており、そちらには
明治38年と有りますので、その頃活躍した方なのでしょう。
阿の手の下には潰れた子狛がいるのでしょうか?欠けてしまってよく分かりませんでした。
(石工 若槻 八十八刻)
小豊城碑、旧漢字が良く読めません、
もしかしたら間違っているかも…。