新潟市秋葉区中村 (平成18年5月6日)
この神社はJR信越本線・古津駅の北北東1kmに鎮座しています。
明治期までは諏訪神社でしたが、明治40年に金比羅宮等の境内社と地区内の神明宮、白山神社を合祀し、現社名に改称しました。御祭神は建御名方命、天照皇大神、菊理媛大神、伊邪那岐大神、伊邪那美大神、大物主命他です。
私達が参拝していたときに、昔この地に住んでいたという方達がいらして、とても懐かしがっていらっしゃいました。そして私達が由緒などをお聞きすると、わざわざ氏子総代さんのお宅に案内して頂き、総代さんから由緒書きをちょうだいしました。その折、玄関に古い木彫狛犬のような犬が置いてあったので、「神社の元の狛犬ですか?」とお聞きしたところ、そうではなく、江戸時代、この屋の主人が行けないので、飼い犬を「金比羅宮」に代参させたところ、とうとう戻ってこなかった…ということで、飼い犬を偲び、彫り物として残してあるそうです。犬の「金比羅宮」代参は話には聞いていましたが、こういう運命を辿った犬もたくさん居たのでしょうね。
神社入口 | 参道脇に建つ「白山神社」社号標 |
年代不明の小振りなおでこ狛犬。 | |
拝殿。 緩やかに編み込まれた太い注連縄が目立ちます。 |
本殿覆い屋 |
拝殿、挙鼻の龍。立体的で動きのある良い彫りをしています。 | |
拝殿の木鼻狛犬。鬣の渦巻きや風になびく様子、耳の毛など実に細かく彫ってあります。良い出来の彫刻です。 | |
本殿正面 | |
氏子総代さんの家にいた「金比羅宮」に代参したきり戻ってこなかった、
この家の飼い犬を偲んだ彫り物。造った方の愛情が感じられる、味のある犬です。
弘安元年(1278)に社殿を再建するさい、壁土に使うため掘った土取場から清水が湧き出し、水に恵まれなかった村民に恩恵を与えた清水。かたわらに桜の大木があったため,いつしか「桜清水(新潟市指定文化財)」と呼ばれるようになったといいます。