三十八(みそや)柱神社

宇陀市榛原区上井足2051(平成19年1月3日)

 この神社は大王小の南約600m、上井足地区の一番南に位置し、芳野川左岸に鎮座しています。道路側には石垣が組まれ、横に細長い境内で、本殿は斜面を切り開いて高い位置に建造されています。

 御祭神:弥都波能売命(やつはのめのかみ、水を司る五穀豊穣の神)
 例祭日:11月3日(秋祭り)
 由緒:当地は、柿本人麿の歌で名高い阿騎野の近くで古くから開けたところです。伝承によると、応保2年(1162)に創建されました。おそらく井足村が一つのまとまった村として成り立った時に、村人の信仰から作られたのでしょう。
 平安時代の末頃にはすでに興福寺の井足庄で、室町時代には上井足と下井足に分かれていた様です。戦国時代には秋山氏の知行地で、実際には井足氏が支配していました。豊臣政権以降は社地は免税地となり、長谷寺で修行した僧侶が、この社の別当寺である善福寺の社僧となり、管理運営にあたっていました。
 明治維新後は神仏分離となり、善福寺は廃寺となりました。
 (神社の栞より)

神社入口 拝殿
明治45年生まれの肩の筋肉の発達した狛犬。石垣の組まれた上に建つ玉垣に余りに近いため、この角度の写真しか撮れませんでした。
(明治45年3月建立)
弊拝殿と透かし塀 檜皮葺春日造の本殿正面
本殿側面 本殿の木像神殿狛犬
本殿に向かって左側からしか撮影ができなかったので、こんな写真になってしまいました。にこやかで穏やかな神殿狛犬です。阿の胸は補修が成されているようです。この神社にはもう一対、もっとずっと時代の古い素朴な木像神殿狛犬が、社宝として大事に保存されているようです。(栞より)