杵築神社

高市郡明日香村小山346(平成23年1月8日)

東経135度49分0.81秒、北緯34度29分9.84秒に鎮座。

 この神社は畝傍御陵前駅の東南東約1.9kmに鎮座しています。参道入口の右に小山集会所が建ち、参道左には稲荷社が祀られています。境内に入ると灯籠の後ろから鳥居に向かって参道両側に盛り土が土手のように造られ、鳥居後ろには弘化4年生まれの浪速狛犬が控えています。瑞垣の奥は小丘になっており、目をこらしましたが社殿が見えません。このときには自然崇拝の名残がある神社なのかと思いましたが、帰ってから調べたところ、やはり古来から社殿が建立されることなく竹林を御神体としていたそうです。
 日本全国の神社を回っていると時々変わった造りの神社に遭遇しますが、この社もその内の一社に入るでしょう。

 御祭神:素戔嗚命
 祭礼日:10月16日
 境内社:稲荷社
 由緒:旧村社。中世両部に祀って牛頭天王社または祇園神社とも称し、明治になって八坂神社といったが後杵築神社と改めた。社地の南方に祇園の地名があり、小丘の頂上に建造物の遺跡があるのは嘗て当社旧祀の地であったと伝える。 素戔嗚命を牛頭天皇と称し、祇園精舎の守護神である所から前記山頂が当社の旧地だとの伝承がうなづける。当社はまた南北時代に南朝方の将小山氏一族の鎮守であったとも伝える。
 口碑では古来社殿なく、一叢の竹林を神体としていたが、枯絶したので今は白梼の木一株を神体としていることである。例祭10月16日で、宮座は古座と新座がある。
(「奈良県史(神社)」より)

社頭
参道入口
参道の様子
境内入口
境内の様子
参道には左右に土手のような盛り土がしてあります。
木製の鳥居 鳥居に掛かる額
鳥居後ろに控える弘化4年生まれの浪速狛犬
狛犬の拡大写真はこちらで
(弘化4年(1847)丁未8月吉日建立)
瑞垣の中には社殿がありません。口碑では古来から小丘上に社殿はなく、一叢の竹林を神体としていましたが、枯絶したので今は白梼の木一株を御神体としているようです。
境内右側の「金毘羅大権現」「庚申」碑
境内右側から御神体のある小丘裏に小道が付けられ、境内社が一社祀られていました。
参道の入口から境内へと向かう参道左に祀られる境内社:稲荷社