久延彦神社

桜井市三輪(平成19年1月3日)

 この神社は大神神社の末社で、狭井神社と大直禰子神社の中間辺りの高台に鎮座しています。社殿前が展望台でベンチもあり、普段ならば三輪の大鳥居や大和三山などが眺望できるのだそうですが、この日は生憎靄がかかり、眺望には恵まれませんでした。

 参道の案内には
 学業の守護神 智恵の大神
 御祭神:久延毘古命
 御例祭:9月1日
 由緒:久延毘古命は、居ながらにして世の中の事をことごとくお知りになって居られる智恵の大神、学問芸能、頭の神様です。「古事記」の大国主命の国作り神話では案山子(かかし)のことで、「久延毘古は今に山田之曾富騰(やまだのそほど)という者なり。この神は足は行(ある)かねども、天下(あめのした)の事を盡(ことごと)に知れる神になもありけり」とあります。御本社の御祭神・大物主大神、少彦名大神と同時に出現し、神代から御鎮まりになって居られる唯一の神様です。
とあります。
 山田之曾富騰という神名の由来は「身体の朽ち果てた男性」という意味で、知恵者の化身として信じられ、田の神・水の神ともされています。「知恵の神さん」としてとみに有名で、全国から受験生や学生等、お参りする人が絶えない境内には合格祈願の絵馬が、多数かかっていました。又、久延毘古命は案山子だとされていますが、「カカ(カガ)」は蛇の古名で、案山子には田を守る蛇神の属性もあるそうで、大国主命との類似性が感じられます。
 文化財指定、春日造、桧皮葺の本殿は約200年前には奈良・春日大社の本殿でしたが、その後大阪府枚方市にある山田神社に移築、その後昭和52年、 山田神社より久延彦神社に寄贈され、再び移築されたものです。

神社入口 白木の一の鳥居
階段途中の二の鳥居 拝殿
春日造、桧皮葺の本殿