八坂神社

奈良市大保町142(平成23年1月4日)

東経135度57分12.71秒、北緯34度42分19.67秒に鎮座。

 この神社は369号線から少し東に入って鎮座しています。入口の参道中央に社号標が立ち、朱の両部鳥居を潜って20m程進むと参道は右に折れ、石段となります。広々とした境内右には大保町集会所があり、左に手水舎、中央奥に拝殿、本殿、境内社などが建立されていますが、とても手入れが行き届き、まるで日本庭園の中に社殿が建立されているような素晴らしい景観が見られます。厚板段葺一間社流造りで元禄4年(1691)建立の本殿は県指定文化財で、左右脇社と共に、一段上がった石垣上の境内の板塀内に建立されています。奈良県の神社は何処も篤い崇敬心が感じられる素晴らしい神社ばかりですが、特にこの社ではきめ細やかな環境整備が感じられました。

 御祭神:素戔嗚尊、相殿:八幡大神・春日大神
 祭礼日:10月中頃
 境内社:稲荷神社、御霊神社・吉田神社、天手力雄神社・宗像神社
 由緒:当社の創建は正治年間(1200年前)の伝へがあるが詳かでない。
今の社殿は元禄4年(1691)の建築で、祭神は素戔嗚尊、相殿に八幡大神・春日大神が鎮座し、末社に稲荷神社、御霊神社・吉田神社(合祀)と、天手力雄神社・明治8年松毛の森から遷座した宗像神社(合祀)との三社がある。神社所蔵の鰐口には弘治3年(1557)の刻銘があり、かって境内に円鏡寺という寺があった。八坂神社本殿は昭和30年12月奈良県指定文化財と成る。厚板段葺一間社流造りであるが桁行が長く身舎を内外陣にわけている。一部変更された所があるが、軸部は創建当時の形式を良く残している。内陣に「寛永二年」(1625)の墨書がある。能面・尉面二、女面筋男・痩男の彩色も良く保存されている。
 以上の五面は江戸時代の初期の物で昭和29年11月23日奈良県文化財に指定。

社頭
社号標 両部鳥居
参道の様子
境内入口
境内の様子
社殿全景
拝殿
本殿のある上の境内入口に立つ台輪鳥居
県指定文化財・本殿
厚板段葺一間社流造りで元禄4年(1691)建立。
本殿縁にいる岡崎現代型狛犬
右脇社:御霊神社・吉田神社 左脇社:天手力雄神社・宗像神社
境内社:稲荷神社
立石 佃豊治郎翁記功碑
立石 立石
神池 宝物庫?
境内から見下ろすと社前には茶畑が広がっています。
奈良県は全国第6位のお茶の生産量だそうで、大和茶と呼ばれ、フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』によると「大和茶は大同元年(806年)に弘法大師が唐より帰朝の際茶の種子を持ちかえり、これを現在の宇陀郡榛原町赤埴に播種して、その製法を伝えられました。 またその際持ち帰った茶臼は赤埴の仏隆寺に現在も保存されております。茶の実もまた同境内に「苔の園」として保存されており、これが「大和茶」の初めとも 言われております。」とあります。