長尾神社

奈良市阪原町1625(平成23年1月4日)

東経135度56分26.64秒、北緯34度43分10.16秒に鎮座。

 この神社は柳生から369号線で奈良方面に向かい、阪原北出バス停から西に入り、白砂川を渡り案内に沿っていくと神社に行き着きます。
 入口両脇には自然石を利用した重量感溢れる灯籠が立っています。境内に入ろうと鳥居を潜ると警報が鳴りだしビックリしましたが、夜間の泥棒除けなのでしょうか?地域の方等どなたも見回りには来られませんでした。境内は明るく広々としていて、右手に座小屋、左手に社務所、中央に道行きが付いている藁葺屋根の素敵な能舞台が配され、正面には日本庭園のような綺麗な植え込みの奥に拝殿、板塀内に本殿、本殿右に御霊神社、周囲に末社十一社が祀られています。又、拝殿前と本殿縁に狛犬もいました。
 手入れの行き届いた神社で、坂原の氏神として篤い崇拝を受けているのが、ヒシヒシと伝わってくる神社でした。

 御祭神:饒速日命
 祭礼日:10月16日・宵宮祭、17日・大祭、18日・後宮祭
 境内社:御霊神社、戸隠神社、厳島神社、五穀神社、白山神社、金刀比羅神社、稲荷神社、八王子神社、恵比須神社、八幡神社、愛宕神社、天照皇大神宮
 由緒:当社は、奈良市阪原町中村集落の西端、小字林光山に位置し、氏神としてこの里を守護し給うている。
御神徳は、庶民安楽と五穀豊穣、特に悪病退散の守り神として人々が恐れる「ウルシ」の生木を箸にして食べられたことから、今も「ウルシ」の箸でお供えをしている。
 鎮守の森に千木高知りて鎮まります本殿は、春日大社の本社旧殿を譲り受けたもので昭和30年に国の重要文化財に指定されている。
 社地は、約四百坪を占め、入口に鳥居を配し、正面に拝殿、その奥の一段高い社地に本殿を建て、境内社として右手に、御霊神社、周囲に末社11社を祀っている。社地の周りを板垣で囲み、拝殿前の広場には、右手に座小屋、左手に社務所、中央に能舞台を設けている。
 社宝として能面四面、尉、白色尉、延命冠者、悪相があり、いずれも室町時代の作として奈良県文化財の指定を受けている。なお、御霊神社の前には、享徳3年(1454)申戌4月「願主清都」寄進の四角形灯籠があり、鳥居前には享保元年(1716)丙午の刻銘入りの手水鉢がある。神社の周辺に多くの古墳が点在していることからこの地域が早くから開けていたことが明らかである。
 恒例の秋の大祭は、10月16日が宵宮祭、17日が大祭、18日が後宮祭となっている。
 古くは宮座があったが、現在は町内六つの垣内から順番に大人25名、子供12名を所役と決め、南明寺御旅所へのお渡りをし、おどけたしぐさの神事が奉納される。
 神社前馬場約200m先に足いた地蔵がある。

社頭
入口両脇に立つ自然石を利用した重量感溢れる灯籠
社号標 木製一の鳥居
境内の様子
社殿全景
上の境内入口に立つ二の鳥居
拝殿前にいる明治36年生まれの狛犬
浪速系の、大きな目をした若々しい狛犬です。
狛犬の拡大写真はこちらで
(明治36年(1903)9月建立)
妻入りの開放的な拝殿
拝殿・中門・板塀・本殿
本殿を囲む板塀前、向かって左の境内社:恵比須神社(事代主命)
本殿を囲む板塀前、向かって右の境内社二社
境内社:八幡神社(品陀別命) 境内社:愛宕神社(火産霊神)、
天照皇大神宮(大日霊貴命)
県重要文化財・本殿
春日大社の社殿を遷したもので、春日造・一間社檜皮葺です。
本殿縁にいる建立年代不明の狛犬
吽には小さな突起が付いています。オランウータンかゴリラのような顔つきとたっぷり・どっしりとした体格ですが、鬣は短く、尾は背中に張り付いています。塀内に入れず、詳細は見えませんが、1700年代後半の建立かもしれません。
狛犬の拡大写真はこちらで
本殿右側に祀られる境内社:御霊神社(井上内親王)
入口に立つ鳥居と社殿
境内社:戸隠神社(手力男命) 境内社:厳島神社(市杵島姫命)
境内社:五穀神社(若宇迦之売命) 境内社:白山神社(伊邪那美命)
境内社:金刀比羅神社(大物主命) 境内社:稲荷神社(食稲魂命)
境内社:八王子神社(八王子神) 天照皇大神宮(大日霊貴命)
道行きもついている藁葺屋根の能舞台
神武天皇遥拝所