人麿神社

橿原市地黄町445 (平成23年1月7日)

東経135度47分15.21秒、北緯34度30分41.2秒に鎮座。

 この神社は大和八木駅の西北西約600mに鎮座しています。
 南にある桜池から大樹の下の鳥居など、社頭が良く見えます。周囲に玉垣などが何もない社地は開放的で明るく、一面に敷かれた玉砂利を踏んでの参拝は、足の裏から直接に「神社に来た〜」という感覚があります。鳥居を潜り石畳の参道奥に狛犬が護る横広の拝殿が建ち、国重要文化財指定の本殿は白塀内に建立されています。
 境内入口左には「秋山の 黄葉を茂み 迷ひぬる 妹(いも)を求めむ 山道知らずも」の歌碑もあり、三十六歌仙の一で、後世、山部赤人とともに「歌聖」とも呼ばれたこの人を祀る神社に、相応しい佇まいを見せています。

 御祭神:柿本人麻呂朝臣
 祭礼日:例祭・10月17日、5月4・5日・すみつけ祭り(県無形民俗文化財指定)
 由緒:神社の創立は明らかでありませんが、本社は新庄町の柿本神社から分祀されたと伝えられ江戸時代以降には、人丸大明神社・柿本人麻呂大明神社と称したことが知られています。
 本殿は、一間社隅木八春日造りの小社殿で、棟木銘に康永4年(1345)と墨書され、この時代の建立様式の特徴がよく現れており蟇股や木鼻等の細部の意匠も優れています。
 建立当初は屋根が厚板葺で隅木は無く脇障子が身舎前柱の位置に移る等後世の修理によって改変をうけ現在に見られる形になっています。
 資料には棟札11枚が所蔵され元和4年(1618)・寛文2年(1662)・文政3年(1820)・功化2年(1854)・明治年間4枚・昭和年間3枚があっていずれも修理棟札です。

社頭
社号標
「柿本人丸神社」
入口に立つ明神鳥居
境内の様子
拝殿前、建立年代不明の狛犬
阿の鼻先が欠けているのが残念ですが、威厳のある渋い狛犬です。
狛犬の拡大写真はこちらで
拝殿
国の重要文化財指定・本殿
屋根は檜皮葺、一間社隅木入春日造の社殿です。
室町時代初頭、康永4年(1345)の建立で、現存する市内最古の建築物。
本殿縁に居る石造神殿狛犬
狛犬の拡大写真はこちらで
ご神木と祭祀場