南島原市南有馬町甲3番地(平成24年8月19日)
東経130度14分15.87秒、北緯32度37分11.34秒に鎮座。
この神社は島原湾沿いを走る251号線にある古野公園と道路を挟んで反対側に鎮座しています。道路沿いに石垣が組まれ、鬱蒼とした森が上部を覆っているのがこの神社です。入口には菖蒲田石工・多比良村吉作の狛犬と水を呼ぶ昇り龍と下り龍を刻んだ一対の灯籠と鳥居が建立され、石段を上がると境内に行き着きます。境内左手に手水舎が配され、正面に千鳥破風付き入母屋造りの拝殿、流造の本殿が建立されています。
御祭神:高龗神
祭礼日:10月25日
由緒:貴船神社は1644年(正保元年)京都鞍馬貴船に鎮座まします官幣中社貴船神社の御分霊を奉祀したのが始まりである。今から約340数年前、農民一揆として有名な島原の乱後であり、第百十代後光明天皇の御代であった。京都の本殿は鴨川上流老杉檜亭亭として茂る貴船山麓を環流する貴船川の辺にあり皇室よりも度々御参拝あらせられた由緒ある神社である。この御霊を我々の先祖である崎町の初代井口太郎右衛門氏が郷土の平穏と繁栄並びに五穀豊穣と航海安全を希い勧請奉斎されたのである。御祭神は高オカミ神で水を司る神様であり水資源の乏しかった当地域の御加護を願ってのことであった。最初は中谷に祭ってあったが今から約220年前、1772年安永時代(後桃園天皇)の頃現在地に移された。二回目の改築が1889年(明治22年)に行われ、今回はそれから100年目に当り三回目の全面的な造り替えである。神殿石垣等は殆んど原型を保ちつつ、神殿は瓦葺きから銅板葺きに拝殿は玄関を葺き下しから、玄関造りに改めた。社殿の尊厳と神域の荘厳さを加えるに至ったことは南有馬町吉川名の氏子及び一般崇敬者一同の誠心の結晶である。
社頭 |
入口に立つ燈籠と一の明神鳥居 |
入口に立つ菖蒲田石工・多比良村吉作の狛犬と水を呼ぶ昇り龍と下り龍を刻んだ一対の灯籠 普通は狛犬が乗っている最上段には宝珠が設置されていますが、この灯篭は芸術性が高く、上には狛犬、足座には昇り龍と下り龍が刻まれています。菖蒲田には島原の乱後に熊本からの移住者が住み着いたと云うことですが、この狛犬は顔付き・毛の流れ・蹲踞の仕方等、熊本の狛犬と共通する部分が見られます。小振りながら素晴らしい出来の狛犬だと思われます。 灯篭と狛犬の拡大写真はこちらで |
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(文化4年(1807)丁卯正月吉日建立) |
境内へと続く石段参道 | |
境内入口 | |
境内の様子 | |
手水舎 | |
千鳥破風付き入母屋造りの拝殿 | |
拝殿内の様子 | |
流造の本殿 | |
本殿木鼻・狛犬と象 | |
鎮守の杜 |
石段から鳥居を透かして見る古野公園と島原湾 |