市杵島神社

諫早市小長井町大搦名38番地(平成24年8月20日)

東経130度09分16.21秒、北緯32度54分54.63秒に鎮座。

 この神社は長里駅の西北西約1.2kmに鎮座しています。入口には高い石垣が組まれ、石段を上がると、神社には珍しい種字が彫られた石門が建立されています。境内には観音堂・大師堂も祀られており、神仏混淆の名残が色濃く残る神社のようです。
 整然とした境内奥の参道には台輪鳥居が建立され、その先には入母屋造りの拝殿・弊殿・本殿が建立されています。そして特筆されるべきは、なんと言っても背中に石柱と蝦蟇が居る水鉢を乗せている贔屓の存在です。石碑の台になっている亀趺は何回か見たことがありますが、贔屓は初めてのような気がします。

 御祭神:市杵島姫命
 祭礼日:10月17日
 境内社:観音堂、大師堂
 由緒:旧無格社
(「長崎県神社庁公式サイト」より)

 寛文・延宝時代に諫早内匠真清及び藤原茂真(4代)公の信仰により長里大久保に本社が創立されました。文久元(1861)年領主諫早家より幣帛を供進されてから近隣はもとより遠方からも参詣し尊信する者が多くなりました。
 神社の前を横切る竹崎街道は、江戸時代には諫早領主をはじめ往来が頻繁で、ある日の休憩中領主の愛馬が急死し、領主はいたくこれを憐れみ、ここに葬りその霊を弔うために堂を建てて馬頭観音を祭りました。 領主はこの境内に社殿を新築して諫早家の床の間にあった弁天さんをここに移したと伝えられます。
(「 諫早市公式HP」より)

社頭
神社入口
境内入口に立つ種字(密教において、仏尊を象徴する一音節の呪文)が彫られた石門
境内の様子
境内に立つ台輪鳥居 鳥居に掛かる額
贔屓(ひいき・中国の伝説によると、贔屓は龍が生んだ9頭の神獣・竜生九子のひとつで、その姿は亀に似ている。重きを負うことを好むといわれ、そのため古来石柱や石碑の土台の装飾に用いられることが多い。)が、背中に石柱と蝦蟇が居る水鉢を乗せています。とても珍しい物です。
入母屋造りの拝殿
弊殿と本殿

市指定有形文化財・馬頭観音が祀られる観音堂
堂内の馬頭観音については『諫早市公式ホームページ・市杵島神社の馬頭観音』にてどうぞ
大師堂
翁塚
観音のいらかみやりつ花の雪