八剱神社

諏訪市小和田(平成17年4月30日)

この神社は高島城から西に800メートル余り、中央本線と甲州街道に挟まれた地域に鎮座しています。由緒によると、主祭神に八千矛神を、配祀神に日本武尊と誉田別尊を祀る小和田の氏神様でしたが、1590年高島城築城に際し、城地にあった八剱神社と高島村は現在地に移りました。その後初代高島藩主諏訪頼水が城の鎮護神社として以来、歴代藩主は産土神として尊崇してきました。また諏訪大社に準じる神事を行うと共に、諏訪の七不思議の第一に上げられる諏訪湖の御神渡拝観という特殊神事も司ってきた神社です。御神渡とは現象的に云うと全面氷結した諏訪湖の氷が南北に幅50−60pほどの亀裂を造り、割れた氷の破片が氷脈となって盛り上がり、蛇行しつつ湖面を貫くもので、この現象が上社の健御名方神が下社の八坂刀売神のもとに通われた道筋であろうと平安のころからすでに伝承されてきました。中世以降、氷脈の方向等で吉兆(農作物や気候等)を占うようになり、諏訪大社を通じて幕府に報告されてきました。この拝観記録は現在も八剣神社によって続けられており、上社に報告されています。上記のように大事な役割を担ってきた神社ですが平素は殆ど参拝に訪れる人もいないようで静けさに満ちた境内でした。案内には市指定文化財の木製狛犬が二対も居ると書いてありましたが拝観出来ないのが返す返すも残念でした。

(昭和45年7月建立)

表参道入口

裏参道入口

とても風雅な手水

舞屋

血気盛んなしょうわ狛犬

拝殿

本殿

境内右手の摂社群

左から事代主神、大國主神、菅原神を祀っている境内社