伊賀良神社

下伊那郡阿智村伍和7564(平成23年4月30日)

東経137度44分22.5秒、北緯35度23分57.4秒に鎮座。

 この神社は下条山地が連なる山里の、極楽峠を越えると浪合へ抜ける道筋にある山中に鎮座しています。創建当時の社号は「てろうの山神」と呼ばれ、現在でも「おてろう様」と親しみを込めて呼ばれる河内、栗矢全域を氏子とした神社です。
 神社手前には広い駐車場と共にお手洗いもあり、かなり整備が行き届いた神社と見受けられます。
 入口の一の鳥居を潜ると左に神庫があり、注連縄が架かった磐座が置かれています。参道は案内にもあるように南西に向かって約450m程、「伊那一」といわれるヒノキ、スギが主体の美林の中を緩い登りが続きます。途中に二の鳥居や参道を挟むように聳える夫婦桧等があり、長い行程の割には疲れを感じませんでした。
 境内は綺麗に伐採され、明るく閑かな中に、右手に神楽殿が配され、正面に狼さんが護る、妻入りの開放的な拝殿、大きな覆い屋内に本殿が建立されています。
 全くの静寂の中、本来ならばここから700m程奥に鎮座する奥宮にも参拝しなければ片手落ちなのでしょうが、この日は雨模様…下草がびしょ濡れでとてもこれ以上歩く気にはならなかったので、又の機会に…ということで、今回はパスしてしまいました。

 御祭神:天御中主命、大山咋命、良王霊、大山祇命、羽山祇命、原山津見命、水速女命
 祭礼日:不明
 由緒:この神社の創建は享禄年中(1528〜31)下条家7代の伊豆守家氏が勧請したものと伝えられる。伊賀良神社という社号は寛政9年(1797)ころ定められたが、氏子の人々は「おてろう様」と呼んでいる。
 参道の長さは約400mあり、その両側には、ヒノキ、スギ、赤松、ツガ、モミ、サワラなどの樹木180余本(目通り周囲80cm位上)が並木となって茂っている。
 この参道の長さ及び並木の様相が郡下に類がないことから、伊那史学会より「伊那一」の称号を得ている。参道の処々に「○丁」と刻まれた標柱が立っているが、これは正確な距離を示すものではない。

社頭
入口に立つ一の台輪鳥居
社号標 前宮・奥宮の案内
参道入口の様子
神庫 磐座?祭祀場?
推定樹齢300年の杉を中心とした古木が続く伊那谷一の参道並木の様子
参道途中の二の鳥居
二の鳥居と境内の間の参道の様子
参道を挟むように聳える夫婦桧
石段参道
石段参道と境内入口
境内の様子
拝殿前にいる寛延2年生まれ、はじめタイプの狼さん
山の神を祀っているという事で狼さんが奉納されたのでしょうが、年代の古さもあり、秩父の狼さん達よりずっと素朴で、愛嬌たっぷりの顔つき、単純な姿態、浅くてシンプルな彫りをしています。でも、このほのぼのとした雰囲気はとても好感が持て、私は大好きです。
狼の拡大写真はこちらで
(寛延2年(1749)己巳6月吉日建立)
拝殿
本殿覆い屋と本殿正面
神楽殿