阿智神社(前宮)

下伊那郡阿智村智里489 (平成23年4月30日)

東経137度43分10.19秒、北緯35度27分10.53秒に鎮座。

 この神社は256号線沿い、昼神温泉に鎮座しています。社号標や一の鳥居が立つ参道入口は「みさか」というホテル脇にあり、一瞬ホテルの中に入ってしまうのではないかと躊躇してしまいましたが、その心配は杞憂で、ここから参道は穏やかな坂道や石段で約100m程緩く上がっていきます。
 境内入口に立つ三の鳥居を潜ると境内左右にはにょきにょきとスギの大木が聳え立ち、その奥に「式内阿智神社」の額が掛かる妻入りの拝殿と、大きな本殿鞘堂が建立されています。更に本殿後ろにはささやかながら「御手洗川」の清水が流れています。

 御祭神:天八意思兼命、天表春命、配祀:誉田別命、建御名方命、大山咋命
 祭礼日:元旦祭・1月1日、新年祭・4月15日、例祭・10月14日、新嘗祭・11月23日、大祓・12月26日
 由緒:当神社は先代旧事本紀に高皇産霊尊、児天八意思兼命、その児天表春命と共に天降りまし信濃国阿智祝等の祖となるとあり大古越後より信濃にかけて蟠踞する出雲系諏訪族に対抗する天孫系氏族の尖兵として信濃の国境を押える最重要地点御坂の東麓この地に来たり駐留し、そめ部曲の民を率いて阿智の地方を中心に伊那西南部一帯の経営開柘にあたった信濃国、三大古族の一つ阿智族の本拠で駒場町鎮座安布知神社と共にその祖先神であり、守護神を祭る神社である。
 奥宮はここより、阿知川に沿って遡ること2kmの地点にあり、一山古墳の如く、境内にある苔生した大石は.古代祭祀跡の磐座であると学者により立証せられ、里人は昔からこの山を川合陵と呼び、祖神の神霊永久に鎮りまず奥都城処(墓地)として崇んでゐる。
 又、社伝によればこの神は、工匠の神として稲籾を十個並べて一寸とし、一寸を十並べて一尺とし、物の長さを計る単位を定め曲尺を作り曲尺の祖神として、大工、建具職、細工職、等材木を扱う人々に深く信仰せられている。
 本県上水内郡鎮座戸隠神社中社天八意思兼命宝光社天表春命二神は村上天皇天暦年間この社より分祀せられたと伝えられてゐる。


256号線脇の参道入口
参道入口に立つ社号標「式内阿智神社」と靖国鳥居
境内入口まで約100m程続く参道の様子
参道途中に立つ二の靖国鳥居
二の鳥居から境内に至る参道の様子
社頭
境内入口と三の靖国鳥居
境内の様子
拝殿
拝殿に掛かる額「式内阿智神社」
本殿鞘堂
本殿裏に流れる「御手洗川」
ご神木・スギ
鎮守の杜
境内から見る智里の様子