戸隠神社九頭龍社

長野市戸隠3690 (平成19年9月23日)

 この神社へは信越本線・黒姫駅から36号線で西に向かい、約14km位走ると右側に鎮座しています。道路の参道入口からは緩い降り坂となり、木製の鳥居脇には清流・逆サ川が流れています。自然林の豊かな杜の中、真っ直ぐな参道は約1km程続き、屋根の葺き替えが終わったばかりの随神門を潜ると、樹齢約400年の杉並木が500m程続いています。杉並木の間には嘉祥3年(850)以来戸隠権現に奉仕した院坊の跡である奥社院坊跡が、今はただ杜の一部として残されていました。その後は杉並木の途切れた辺りから参道は急な坂道や石段となり、飯綱大明神を経て左に曲がる約400m程の道のりが続きます。参道の終わりには手水舎が作られ、その上に九頭龍社、その又一段上に奥社が祀られています。
 戸隠神社は「天の岩戸」伝説で有名ですが、この九頭龍社にはもうひとつの「戸隠」起源説が伝承されています。鎌倉中期に記された「阿裟縛抄諸寺略記」の中に、西暦800年代の中盤頃の話として、「学門」という名の行者が法華経の功徳によって、9つの頭と龍の尾を持つ鬼をこの地で岩戸に閉じこめたという言い伝えが残されているのです。本来は水神である九頭龍がこの社の根源神で、天手力雄命の伝承は、後世に流布されたものなのでしょうか?

 御祭神:九頭竜大神
 例祭日:5月15日・祈年祭、8月15日・例大祭、11月23日・新嘗祭
 由緒:地主の神で御鎮座年代古く天岩戸戸隠山の守神にして神代の岩戸隠れの変に御功績を立てました御祭神天手力男命を当山にお迎えした大神で水分神、水口神、五穀の神、開運守護魔除の神、虫歯の神として御霊験あらたかに国民の多幸弥栄の上に高大なる御神徳を恵み給う大神様です。

道路に建つ
「戸隠神社」社号標
道路からの神社入口
参道途中の木製鳥居 参道の様子
随神門 慶長17年(1612)に江戸幕府から千石の朱印地を拝領した際、植樹された樹齢400年の杉並木
この辺りから参道は
急な坂道になってきます
「奉九頭龍社御回廊改築」碑
逆サ川源流に祀られた「八水神」 戸隠神社碑と末社
「九頭龍社」社号標 社殿に架かる「九頭龍大神」額
九頭龍社社殿
九頭龍社境内から見える戸隠山