長倉・諏訪神社

北佐久郡御代田町小田井上宿(平成18年9月3日)

 この神社はしなの鉄道・御代田駅の南南西約1.5kmに鎮座しています。

 案内が無く詳細は不明ですが、ネット上の情報を総合すると、「伍賀の宮平は式内社の長倉神社が最初に鎮座した跡だといわれ、後に上小田井に遷座されました。小田井宿・旧本陣に残されている覚書によると、天正16年(1588) の小田井町割にともない、上小田井から鎮守としてこの地に諏訪社が遷座されてきました。享和2年(1802)には長倉神社と称しましたが、後に長倉・諏訪神社となりました。」ということになりそうです。入口の鳥居の額には「長倉神社・諏訪神社」と併記してありますが、上記の情報の上小田井から遷座された諏訪社が長倉神社に相当するものかどうか…ということで二社併記となったのでしょうか? それとも、長倉神社に上小田井内の諏訪社が遷座されたのでしょうか? 現在の御祭神は天児屋根命並びに建御名方命です。きちんとした社史をご存じの方がいらしたら是非お教え下さい。

 現在はそんなに広くない社地の神社ですが、町指定天然記念物の社叢に包まれた境内は静かで落ち着いており、その荘厳さは神域の雰囲気を充分醸し出しています。又、狛犬ファンの私達にとっては、明治時代ではありますが威厳のある格調高い狛犬が居て、殆ど狛犬と巡り会えなかった今回の旅では、砂漠のオアシスのように感じられました。
 神馬舎内には、町指定無形民俗文化財「小田井の道祖神まつり」に使われる藁馬が居て、その精巧な造りに驚かされました。これも孫子のためにと精魂込めて作られるお年寄り達の真心が、人の心を感動させるのでしょうか。

神社入口と一の両部鳥居 境内の二の明神鳥居
明治16年生まれの尾付き狛犬。
今回見てきた軽井沢町、御代田町、小諸市、佐久市の神社の内で、唯二のしょうわ以外の狛犬でした。
特にこの狛犬は胸に「丸に渡辺星」の家紋入りで、狛犬に家紋が入っているのは始めて見た気がします。
阿吽位置が反対で、阿には宝珠が、吽には薄い角が付いています。端正で威厳に満ちた顔立ちをしており、前脚には竹の節のような関節と縦線が見えます。鬣と尾、脇毛の曲線が綺麗な流れを見せています。
(北佐久郡安原村石工・飯田 平蔵長常  明治16年8月25日建立)
拝殿 流造りの本殿
拝殿の木鼻は躍動感に溢れた見事な龍でした。
境内の末社
道祖神、交通安全の碑、末社 末社群
町指定無形民俗文化財「小田井の道祖神まつり」に使われる神馬舎内の藁馬の親子。
毎年2月に行われる民俗行事で、子供たちがこの藁馬を
町内中引き歩き、ここ長倉・諏訪神社でお祓いを受けます。
子供たちの和合、無病息災の祈願行事だそうです。
拝殿前から入口を振り返る
狛犬の拡大写真はこちらで