御頭御社宮司(おんとうみしゃぐじ)

茅野市豊平 (平成22年8月28日)

東経138度12分43.57秒、北緯36度0分51.02秒に鎮座。

この神社は、152号線山寺上交差点の南東500m程の辺り、豊平集落の中に鎮座しております。

御社宮司は当て字で本当はミシヤグチ神を指すようです。しからばミシヤグチとは何か。ミシヤグチ神は、自然万物に降りてくる精霊と言われます。ミシヤグチ神は洩矢神の後裔の神長官(守矢家)邸の一画に祭られています。守矢家で現在78代目となっています。一子口伝の秘事として伝えられてきていましたが、2〜3代前に多くが失われたようです。
守矢神長家の話 守矢早苗 (「神長官守矢資料館のしおり」より)

諏訪大社の祭政体はミシャグチ神という樹や笹や石や生神・大祝に降りてくる精霊を中心に営まれます。家ではミシャグチ様と呼んでいましたし、多くの呼び名や宛字のある神様ですが、ここではミシャグチ神とします。そして、一年に七十五度の神事が、中世までは前宮と大祝の住む神殿、そして冬季に掘られた竪穴である御室や十間廊、八ヶ岳山麓の御射山(現・諏訪郡富士見町)で行われました。 そのミシャグチ神の祭祀権を持っていましたのが神長であり、重要な役割としてのミシャグチ上げや、ミシャグチ降ろしの技法を駆使して祭祀をとりしきっていました。

 ミシャグジ、ミシャグジ様、ミシャグチ、ミサグチと呼ばれます。またそれを祀っていた諏訪の氏族、守矢(洩矢)氏の姓から、モレヤの神、モレヤ様などとも呼ばれます。漢字では、御社宮司や御射宮司等と書かれます。

 諏訪湖の土着神で、縄文時代から祀られてきたともされています。現在でも諏訪大社(特に上社)に祀られ、蛇神、また御射山をご神体とする山神で、ミシャグジ降ろしの祭祀において憑依託宣(ひょういたくせん)する神です。

 この地方の伝承によれば、元々は何柱かの土着神がいたようで、それが次第にミシャグジに集合されていったと考えられています。現在は神格として、蛇神(山神)兼、狩猟神となっています。

 古くはモレヤ神が木石の神、チカト神が狩猟の神、ソソウ神が蛇神などとして、別々の神格として祀られていたようです。

神社遠景

神社全景

鞘堂

本殿


石祠

磐座