下鳥羽大同神社

安曇野市豊科1114(平成18年10月14日)

 この神社は【狛犬情報・ジンジャーさん】からのお薦め神社です。コメントに「道路からの外観がカッコよくて個人的に好きな神社です。」とありました。
 国道147号線沿いにあるJA豊科ホールと、道路を挟んだ反対側の一般道を入った左側に鎮座しています。この地域のご多分に漏れず、やはり豊かな鎮守の杜を目指すと、綺麗な玉垣で囲まれた境内が見え、入口には屋根付きで白木の台輪鳥居が建っています。尚よく見ると、居ました居ました、信州狛犬が居ました。それも阿吽共に子狛を連れた良い狛犬です。嬉しさにワクワクしながら尚も境内中央へ進むと、お決まりの「千度石」が注連縄を架けられて立っています。そして拝殿前と境内右側には、青いシートを懸けられた山車が二台、置き去りにされています。「祭礼でもあるのかしら?」と思っていたら、山車庫の修理真っ最中でした。拝殿内では明治時代製作の市有形文化財・随身像が弓矢を手に持ち目を光らせています。その他自然石を使った格好いい灯籠や、優雅な造りの本殿が目を楽しませてくれました。
 下鳥羽地区の産土神で、村の繁栄と村人の心の拠り所として、慶安4年(1651)鳥羽地域全体の社として諏訪大社より分霊勧請しましたが、享保年間(1716〜1735)に上下鳥羽が分割され、下鳥羽地区の産土神となりました。現在の御祭神は建御名方命、誉田別命、伊弉冉尊の三柱をお祀りしています。

神社遠景 境内入口、
屋根付き白木の台輪鳥居
大正の狛犬ですが、阿吽で建立年が違います。大きな子狛を連れた、よく似た狛犬を松本でも見かけていたので、この狛犬に会った途端、二人で「懐かしい〜。又、長野に来たんだ〜」と叫んでいました。ライオン顔で、体毛を表すかのように鑿跡を残している装飾的なこの狛犬は、江戸狛風ではありますが、まさに信州バージョンといえる進化を遂げています。阿吽共に大きな手で子狛を抱え込むように慈しみ、その子狛は玉や牡丹のお花にじゃれつき、楽しそうに遊んでいます。家族愛に充ち満ちた、典型的な核家族の先取りの姿といえるかも…。
(石工設計請負人・白鳥文治郎 白鳥近太郎 白鳥留雄
阿・大正4年11月 吽・大正5年5月建立)
境内中央の「千度石」 立派な拝殿
拝殿内の市有形文化財・随身像。明治時代の製作です。
優雅な造りの本殿 境内社・不動像
自然石を使った格好いい灯籠


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