都萬神社

西都市妻1(平成21年1月7日)

東経131度24分29.43秒、北緯32度6分42.64秒に鎮座。

 この神社は一ツ瀬川の中流域にある全国有数の大古墳群「西都原古墳群」の東、妻に鎮座しています。
 表参道入口に建つ銅製の一の明神鳥居を潜ると約50mで桜川に架かる石造の太鼓橋があり、ここが神社の入口となっています。一の鳥居から見る社頭は、まさにニョキニョキと楠の巨木が聳える、古の自然林を思わせる風景です。
 太鼓橋を渡るとすぐ右には稲荷神社が祀られ、左手には立派な土俵が設えてあります。真っ直ぐに伸びた参道を進むと、社殿のある境内は一段高い位置にあり、境内入口には二の明神鳥居が建ち、その左右には個性的な昭和11年生まれの構え獅子がいます。
 境内正面に拝殿、奥に本殿と続きますが、本殿縁にはかなり古いと思われる木製神殿狛犬が居ました。又、この社の御祭神・木花開耶姫が3人の御子に甘酒を作ってお乳替わりに飲ませたという伝説から「日本酒発祥の地」とも云われ、本殿にも多くの酒樽が奉納されていました。
 境内には人が輪の中をくぐると、「夢叶う、幸せ招く、願いが叶う」という御利益がある「千年楠の洞洞木」、「日本清酒発祥の地」の案内、社殿右には父君・大山祇命が祀られる大山祇神社、御夫君・瓊々杵尊を祀る霧島神社、その右には姉君・磐長姫神、豊受姫神、天児屋根命、太玉命を祀る四所神社が祀られています。又、境内左には国指定天然記念物のご神木・大楠(推定樹齢1200年)が様々な天災に見舞われながらも樹勢を取り戻しその健在さをアピールしていました。
 又、境内石垣の左側には神池があり、その畔に祇園神社が祀られ、日下部氏発祥の地といわれる「日下部塚跡」や井戸もあります。
 この社の記憶は、何といってもご神木・大楠を始めとして、境内中を埋め尽くすかのように勢いの良い楠の巨木があちこちに点在していることで、未だ嘗て市街地に鎮座する神社でこの様な大木が林立する様を見たのは初めての経験で、大感激でした。

 御祭神:木花開耶姫命
 祭礼日:例祭日・ 2月18・19日
 境内社:稲荷神社、大山祇神社、霧島神社、四所神社、祇園神社等
 由緒:社名の「都萬」は「妻」のことであり、御祭神の木花開耶姫命が瓊々杵尊の妻であることに由来しているようです。
 社伝では、木花開耶姫命と瓊々杵尊が新婚生活を送った地が現在地であると伝えられています。
 創建の年代は不詳ですが、近くには西都原古墳群があり、その後も日向国府が置かれた地であることから、古くから祀られていた神社と考えられます。
 国史の初見は、『続日本後紀』の承和4年(837)8月1日条の、「日向国子湯郡子都濃神。妻神。宮埼郡江田神。諸県郡霧島岑神。並預官社(都農神社・都萬神社・江田神社・霧島神社を官社に預かる)」という記事です。
 延喜式神名帳では小社に列し(日向国で大社に列している神社はありません)、国府が近くにあったことから日向国総社とされ、また、都農神社に次ぐ二宮として崇敬されてきました。
 中世には妻宮・妻万宮・日向総廟五社大明神などと呼ばれ、武家、領主より篤く崇敬され、日向国の式内社4社の中では、実質的に最も有力な神社でした。
 明治6年(1873)、県社に列格しています。
(フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』より)

 この神社は天孫ニニギの尊の妃木花開耶姫を祀り都萬神社または妻萬宮と申します。祭神木花開耶姫はオオヤマズミの命の姫君でニニギの尊との御結婚にはコトカツクニカツナガサの神が媒酌をとりもち日本最初の正式な華燭の式典を挙げられました。
 故に古来からこの結婚の喜びにあやかりたいと崇敬の厚いお宮であります祭神木花開耶姫は青島神社のヒコホホデミの尊の母君鵜戸神宮のウガヤフキアエズの尊の祖母君にあたり宮崎神宮の神武天皇の曽祖母で日本民族の彌来をもたらせた国母神でありますから女性の守護神お産の神と敬い家内安全の祈願に参拝の多い神社であります。
 西都原御陵参考地の正面にある女狭穂塚はこの神社の祭神木花開耶姫の御陵とつたえられています。
(境内案内板より)

表参道入口に建つ銅製の一の明神鳥居
表参道の様子
社頭
入口の桜川に架かる太鼓橋
桜川に架かる石積みの太鼓橋
 この橋は明治35年に完成しました。橋長は9.85m、橋幅は3.85m、高さ3.3mです。石は宮崎市高岡町浦之名産で、壁石は割った石をそのまま積み上げる乱積みで造られています。 桜川には江戸時代の中期から木の橋がありましたが、増水でたびたび流失していたので、この橋が造られました。
入口右に祀られる境内社:稲荷神社
入口左に設えられた土俵 百度石
境内遠景と参道の様子
境内入口と二の明神鳥居
境内入口にいる昭和11年生まれの構え獅子
縦置きで、阿は角を、吽は宝珠を付けています。とても個性的で面白い狛犬なのですが、阿は恥ずかしがり屋なのか木陰に隠れて全容は見せてくれません。
狛犬の拡大写真はこちらで
(昭和11年(1936)3月吉祥日建立)
拝殿
拝殿内の様子
本殿 左右から
本殿縁にいる木製神殿狛犬
建立年代は不明なのですが、どうも玉眼を嵌めていたようなので、江戸時代末までには建立されていたように思われます。吽は角つきで、阿は短く渦を巻いた鬣、吽はストレートの鬣をしています。逞しく動物的な感じの強い狛犬です。
狛犬の拡大写真はこちらで
「千年楠の洞洞木」
人が輪の中をくぐると、「夢叶う、幸せ招く、願いが叶う」という御利益があるそうです。

「日本清酒発祥の地」
木花開耶姫命が3人の御子を育てるのに、お乳の代わりに甘酒を作って飲ませたいう伝説から、日本清酒発祥の地と言われています。多くの酒樽も奉納されています。

社殿右に祀られる境内社:大山祇神社
この社の御祭神・木花開耶姫命の父君・大山祇命が祀られています。
以前は本殿の北奥に鎮座していたので奥の宮と云われていました。
境内社:四所神社
御祭神:磐長姫神、豊受姫神、天児屋根神、太玉命
境内社:霧島神社
御祭神:瓊々杵尊(御夫君)

 

国指定の天然記念物のご神木・大楠
推定樹齢1200年・幹周・9.86m、樹高・18m
ご神木・大楠の他、境内の至る所に聳える楠等の巨木の写真はこちらで

神池の畔に祀られる祇園神社
祇園神社入口の鳥居と社殿
祇園様、八坂神社とも言われ、御祭神は素戔嗚命です。太鼓台で有名な西都市夏祭りは祇園様の祭りです。
境内石垣下左に聳えるご神木と末社
天然記念物・大楠の聳える
石垣下にある井戸。
絵馬
都萬神社西にある日下部氏発祥の地といわれる「日下部塚跡」
日下部氏とは開化天皇の孫・狭穂彦王に始まる、但馬国造の日下部君の後裔氏族です。