南方神社

西都市南方(平成21年1月7日)

東経131度23分46.4秒、北緯32度7分36.88秒に鎮座。

 この神社は219号線脇に一の鳥居が建ち、参道はそこから約120m程延び、楠の大木が聳える境内へと行き着きます。
 入口には立派な社号標と鳥居が建ち、綺麗に手入れされた参道を歩くと片側だけに透かし塀が付く神門があり、参道正面に千鳥破風と唐破風付き入母屋造りの立派な拝殿、流造りの本殿が建立されています。向拝彫刻の龍や木鼻の狛犬や象も素晴らしい出来です。
 参道脇には如何にも南国を思わせる蘇鉄が育ち、又社殿左側には国指定天然記念物「穂北の大クス」と呼ばれる推定樹齢・1000年、幹周・11.5m、樹高・42mのご神木がまだまだ旺盛な樹勢をみせて枝葉を繁らせていました。
 この社には参拝の予定がなかったのですが、偶々219号線を走っていて鳥居が見え「参拝していきましょう。」ということになり、急遽参拝させていただきました。静かで落ち着いた雰囲気の中にも境内、社殿などに手入れが行き届いた気持ちの良い神社で、又、思いも掛けず国指定天然記念物の大楠に出会うことが出来、とても幸せで徳した気分になりました。

 境内には「穂北の大クス」の案内はあったのですが、神社の由緒書きは見あたらず、御祭神・勧請年月・縁起・沿革等は全て不明です。只、この社は南方・穂北2村の産土神社として尊崇厚く、明治初年にこの地に遷座されたそうです。又、鹿児島や宮崎の「南方神社」は諏訪神社からの分霊勧請の例が多いそうですので、この社ももしかしたら建御名方命が御祭神かもしれません。

 旧暦の8月1日に五穀豊穣と火難・水難除け祈願のため南方神社・一ツ瀬川原・火の神前に奉納される国選択県指定無形民俗文化財・「下水流臼太鼓踊」は穂北下水流地区に伝わる太鼓踊りで、地域では「ウスデコ」と呼ばれています。踊りの編成は鉦方4名・太鼓方16名・歌い手4名の合計24名が1組となります。「あそ」「五条」「四節」「坂金」「小野」「かせ」などと変化にとんだ形式が次々と踊られていくところに特徴があり、他の臼太鼓と比較して割合とテンポが早く動きも活発で、この激しい跳躍によって神の魂を次第に鎮めていくと言われています。

219号線脇の参道入口
一の明神鳥居 一の鳥居に架かる額
社号標 参道途中に建つ二の鳥居
神門
参道、境内の様子
拝殿
拝殿向拝彫刻・龍
拝殿の木鼻・狛犬と象
本殿
末社二社 如何にも南国を思わせる蘇鉄

 

国指定天然記念物「穂北の大クス」
推定樹齢・1000年、幹周・11.5m、樹高・42m
樹幹は地上6mのところで二股に分かれ、その南支幹は東方に横枝を出し、北支幹は11mの高さでさらに二股に分かれ直上、枝葉を繁らせています。樹勢旺盛なこの古木は特に根元付近の張り出しが見事でした。

境内左側の鎮守の杜の様子