八手神社

宮崎市恒久4-14(平成21年1月8日)

東経131度26分9.74秒、北緯31度53分27.25秒に鎮座。

 この神社は大淀川河口の右岸に鎮座しています。入口には珍しい石製両部鳥居が建ち、私達には意味不明だったのですが、「迎春 日本一めでたい名前の神社」の案内がありました。又、参道入口には昭和10年生まれの岡崎現代型狛犬の宮崎バージョン狛犬もいます。境内奥正面には妻入りの拝殿と流造りの本殿が建ち、境内左には神仏混淆の名残か観音堂や仏像が大切に祀られていました。
 小規模の神社ではありますが、地域の氏子さん達の崇敬の気持ちが伝わる、活気に満ちた神社でした。

 御祭神:事勝国勝長狭命
 祭礼日:1月1日・元旦祭、2月11日・紀元祭、旧3月中旬日・潮祈願、旧6月24日・神幸祭、12月9日・例祭、12月31日・大祓式
 由緒:創建は貞享2年(1685)と伝えられ、事勝国勝長狭命(塩土老翁)をお祀りしています。
 この祭神は天津彦・国光彦・瓊々杵尊が天磐戸を引開け奉降られ日向の襲の高千穂の串田の二上峯の天浮橋に至り吾田の長屋の笠狭之御崎に至ったときにその御崎におられた神が事勝国勝長狭という。その神は 伊弉諾尊の子亦は塩土老翁としるしてある。(日本書紀)
 又、木花之佐久夜比売の御子兄日照之命(海幸彦)弟火遠之命(山幸彦)が兄鉤と弟弓を取りかえ火遠之命が海に釣りに行き鉤を失って海辺で泣き患えておられたときに塩土老翁が現れ、すきまのない籠船を造って海神宮へ行きなさいと教えた神としるしてある(古事記)
 潮路之神 住吉之神と同一の神とする説がある。
 もともとこの社は八手神社と称し漁猟の神として里人の崇敬が篤く元日向の国の赤江河港東面し老樹繁茂した森厳の境内に鎮座していましたが、昭和18年この近辺が赤江飛行場として使用されるに際して現地に遷座されました。
 又、昭和61年のこの地の区画整理事業により本殿を修理拝殿を新築し昭和62年新たにこの地に鎮座されました。

この社に伝わる日向神話伝承「大蜘蛛伝承と赤江の黒松」
 「むかーしむかし、赤江浜の松林には大きなやつでぐもがすんでいた。ある時旅の武士がくも退治に挑み、まるまる肥えたくもの腹に刀を刺したところ、真っ黒な血がどくどくと流れ出し、以来赤江浜の松林は黒松になったという。」
 赤江飛行場建設の際、松林の多くは伐採され、漁師の神様として林の中にあった八手神社は城ヶ崎に移され、今も地元の人々に大切に守られている。
(「みやざき観光コンベンション協会」HPより)

社頭
入口の石製両部鳥居 「日本一めでたい名前の神社」
案内
参道入口にいる昭和10年生まれの狛犬
岡崎現代型狛犬の造りを取り入れていますが、阿吽で鬣の造りが異なり、吽には角が付いています。
狛犬の拡大写真はこちらで
(昭和10年(1935)11月建立)
境内の様子
拝殿
拝殿内の様子
本殿
境内左に祀られる観音堂
境内左に祀られる仏像
仏像三体
境内社 「日露祈念」碑