恒久神社

宮崎市恒久582(平成21年1月8日)

東経131度25分51.47秒、北緯31度52分59秒に鎮座。

 この神社は赤江小学校の南南西約200m、335号線に面して鎮座しています。鎮守の杜が豊かで、妻入りの拝殿には「江南一宮大明神」の額が架かっています。流造りの本殿は大きく、妻の破風の付け方が面白いと思いました。
 又、一対と一体の構え獅子がいたり、境内社にもそれぞれ由緒があったりと、この社の歴史の古さ・永さを感じました。

 御祭神:正殿・木花開耶比当ス、左殿・天照皇大神 瓊々杵尊、右殿・素戔嗚命 倉稻魂命
 境内社:駒宮様、若宮様
 祭礼日:1月1日・元旦祭、2月11日・建国記念祭、3月4日・祈念祭並に作祈祷神楽舞、6月30日・大祓祭、旧6月28日・神幸前夜祭、旧6月29日・神幸祭、旧9月8日・例祭前夜祭、旧9月9日・例祭、11月15日・七五三祭典、11月23日・新嘗感謝祭、12月23日・天皇誕生祭、 月 日・星祭り、12月31日・大祓祭
 由緒:都万の宮(西都市都万神社)を寛治4年(1090)4月に勧請し、同11月15日現在地に祭祀されました。
 勧請の経緯は平安時代中頃から江南地方(大淀川以南・本郷南方を中心とした地)に進出し、同地方を開拓し、江南国富の荘の創始者である都万の豪族・日下部氏が同荘園の鎮守の神として同族の氏神・都万の宮を勧請し、江南一の宮大明神と称号し祭祀しました。
 明治4年現社名に改称しました。

 日向民話集より「白蛇の恵み」
 昔、赤江町(宮崎市)宮之元の辺りには、毒蛇がたくさんいた。百姓たちはたいへん困っていたが、ある時期から、どういうわけか次第に毒蛇が減ってきた。耕作もしやすくなり、百姓たちは喜びながらも、不思議な事に考えていた。
 ある夜、百姓の一人が眠っていると、白い着物に、紅い袴をつけた、品のある乙女が夢枕に立った。
「近ごろこの辺りに毒蛇がいなくなったのは、わたしがかみ殺してあげたのです。わたしの本体は白蛇なのです。わたしを祭ってくださるなら、わたしは村の守護神になってあげましょう。それから一つお願いがあります。わたしは百足(むかで)が大嫌いですから、もしその虫を見つけたら、油壺に入れて戸口につるしてください。」
 百姓は夢から覚めた。朝になるのを待ち受けると、その百姓は村の家々を軒ごとに訪ねて回った。そして夢の話を村人たちに伝えた。話を聞いた村人たちは、さっそく白蛇の霊を祭る事にした。その社が今も残っている恒久神社である。白蛇をお祭りしてこのかた、付近は常に豊作に恵まれているが、
「恒久神社の夏祭には、御神幸の通る区域には一匹の蛇も見受けない。」と土地の人たちは言っている。

社頭
社号標 入口の明神鳥居
入口にいる大正15年生まれの構え獅子
眼球、鬣や尾、口中に彩色があり、阿は口中に玉を含んでいます。楽しい狛犬ですね。保存状態が良く、注連縄も掛けられ手大事にされているようです。
狛犬の拡大写真はこちらで
(大正15年(1926)3月建立)
拝殿 拝殿に架かる
「江南一宮大明神」の額
本殿
境内社:駒宮様
境内社
境内社:若宮様案内
境内社:若宮様入口と社殿
境内にいる一体だけの昭和5年生まれの構え獅子
境内の様子とご神木