黄金山神社

遠田郡涌谷町涌谷字黄金宮前23(平成19年7月27日)

この神社は石巻線涌谷駅の北東2500m程の辺り,黄金宮前に鎮座しております。346号線に面して黄金色の鳥居が立っています。

涌谷は、日本で初めて金(砂金)が採れた所である。それは奈良時代、聖武天皇によって東大寺の大仏が建立されていた時のことである。
 大仏は銅で鋳造した後鍍金する金銅仏であった。だがこの鍍金用の金が不足し、大仏の完成が危ぶまれていた。そこへ天平21(749)年、涌谷から日本で初めて産出した砂金900両(約13kg)が、陸奥国守百済王敬福によって献上された。この砂金によって大仏は無事完成したのである。
 このできごとは世の中を大きくわかせ、聖武天皇は年号を天平から天平感宝へと変え、大伴家持は初産金を祝して歌を詠み、万葉集に残した。
 黄金山産金遺跡は、発掘調査によって奈良時代の建物跡が発見された。この建物は、産金を記念して建立された六角円堂と推定されており、天平産金の重要な関連遺跡として、昭和42年国史跡の指定を受けた。
 一方黄金山神社の歴史は古く、初産金のあった天平21(749)年、砂金が採れた山に神社があったことを示す記録がある。この神社が涌谷の産金と深い関わりのある黄金山神社で、後に国の官社となった。その後砂金の枯渇とともに朽ちたが、江戸時代に沖安海によって再興され、現在も人々の信仰を集めている。
 かつて砂金を採った地域は、箟岳丘陵一帯と考えられている。今でもこの丘陵のあちこちの沢から採れるわずかな砂金が、古代の栄華を現代に伝えている。
史跡黄金山産金遺跡の説明板より。写真はこちら。

一の鳥居と社号標。正面は「わくや万葉の里、天平ろまん館」。

鬱蒼とした緑の中に立つ二の鳥居。

さらに其の先に社殿が見えます。

拝殿正面。

拝殿と本殿。