御釜神社

塩竈市本町(平成19年7月22日)

 この神社は塩竃神社東参道入口から3号線を突っ切り南に130mの右側に鎮座している塩竃神社の境外末社です。入口の赤い鳥居を潜り境内に入ると、すぐ左手に四基の御神体の大鉄釜が祀られた御神釜奉置蔵があります。境内正面には小振りの社殿が建ち、左側に御神釜、塩竈神社境外末社・牛石藤鞭社が祀られています。

 御祭神:塩土老翁神
 例祭日:7月4日・藻刈(七ヶ浜町花渕湾でホンダワラを刈り取る神事)、7月5日・御水替(松島湾内釜ヶ淵から海水を汲み取って御神釜の海水を取り替える神事)、7月6日・県無形民俗文化財・藻塩焼例祭(古式にのって荒塩を作る神事)、7月7日・藤鞭社祭典(牛石藤鞭社例祭)
 由緒:この地には元・塩竈神社が鎮座していましたが、慶長12年(1607)伊達藩祖・伊達政宗公が一森山の現社地に神域を定め、塩竃神社の社殿増築がなされたときに遷宮されました。故にこの地は日本製塩起源の地であり、塩竈市名発祥の地ということが出来るでしょう。鎌倉時代に塩竈神社の末社として創建されたこの社は、製塩法を伝えたとされる塩土老翁神を御祭神とし、塩竈の名前の由来となった直径180cmの大鉄釜4基が安置されています。7月6日には古代製塩法「藻塩焼」で塩づくりの神事が行われ、7月10日の鹽竈神社例祭に供えられます。 この御釜で塩を作ったのが塩竈神社の名前の由来となったのです。7月5日の「御水替」の神事のときは、前の水を少し残すことになっているので、草創の往古よりの水が伝えられ、千数百年の伝統が続いているのだそうです。

神社入口 社号標「御釜社」
鳥居の額「御釜神社」 参道の二の鳥居
社殿
社殿前にいる明治32年(1899)生まれの狛犬
阿吽の位置が反対で、片前脚が引かれる仙台タイプです。戦災にでも遭ったのか随分黒ずんでいますし、阿の下顎は欠けているようです。吽は大きな奥眼で、思いっきり歯を剥き出していますが、可愛さの方が先にたっています。
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(明治32年(1899)3月10日建立)
御神釜奉置蔵
製塩に用いたという四基の鉄釜が御神体として祀られており、一基は南北朝期、一基は室町時代に寄進されたものといわれています。
御神釜 塩竈神社境外末社・牛石藤鞭社

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