八幡神社

仙台市太白区坪沼宇舘前東69(平成19年7月21日)

 この神社は太白区の西南端、坪沼地区の県道31号線に面して鎮座しています。前九年の役で、古戦場となった安倍一族の居館・根添館跡のこんもりとした山が現在の八幡神社社地となっています。坪沼川に架かる神橋を渡り、入口の鳥居を潜るとすぐに99段の直登の石段となり、参拝はかなり厳しい体力勝負…という感じです。境内入口の長床を潜ると、正面に未だ吹き替えたばかりの銅葺きの向拝の無い拝殿が建ち、本殿も改修されています。境内右側には二階建ての珍しい鐘楼が建ち、本殿左側には不動明王堂と、かなり神仏混淆の名残が伺えます。

 御祭神:応神天皇、神功皇后、仲哀天皇、武内宿禰
 例祭日:1月元旦・元旦祭、1月15日・どんと祭、2月11日・建国祭、2月17日・祈年祭、4月15日・例祭・御輿渡御、4月16日・例祭、7月・蛍と平家の琵琶の夕べ、11月23日・新嘗祭
 由緒:天喜4年(1056)陸奥の豪族阿倍頼時が乱を起こした時、征夷大将軍に任ぜられた源頼義は京都男山八幡宮に戦勝を祈願し、子供の義家と共にこの坪沼にやってきました。そして前九年の役(1056〜1063)で、坪沼にあった安倍一族の居館「根添館」を地蔵原で激戦のすえ攻め落としたといいます。そして頼義が館の南方高地に社を建立し、京都男山八幡宮を勧請し祀ったのが、坪沼八幡神社だと言われています。その後、館の将兵一族を祭事に当たらせましたが、後 戦国時代に将兵の多くは帰農し、村の鎮守と仰ぎ、天台宗赤石山円通寺を別当の任に当たらせたということです。約千年の歴史を持つ、仙台の中で八幡様を祀る最も古い社です。

神社遠景と鎮守の杜 坪沼川に架かる神橋
92段の石段の参道入口 もうすぐ境内です
境内入口から入口を振り返る 境内入口手前に建つ境内社
長床 境内右側、二階建ての鐘楼
向拝の無い拝殿 拝殿の社額
本殿 本殿左の不動明王堂
北参道入口