青麻(あおそ)神社

仙台市宮城野区岩切青麻(平成19年7月26日)

 この神社は緑豊かな県民の森の北西に鎮座しています。各地に分霊勧請された青麻神社の総本社で、境内には名水・青麻神社のおすずが湧き出る、国内でも希有な太陽・月・星の三光神を一緒にお祀りしている神社で、古式ゆかしい雰囲気の漂う社域には、清浄な空気が流れている様に感じられます。神社の入口には清冽な川が流れ、朱の太鼓橋を渡ると茅の輪の架かった鳥居が建ち、狛犬を愛でながら随神門をくぐると、境内左手には名水・青麻神社のおすずが湧きだし、ポリタンクを用意した数人の人が御神水をいただいていました。正面には昭和45年に建立された拝殿が建ち、拝殿の後ろ、斜面上の岩窟前に本殿が建立されていました。流石青麻神社の総本社、閑静な素晴らしい雰囲気を持つ神社でした。

 御祭神:星神:天之御中主神・虚空蔵菩薩
      日神:天照大御神・大日如来月読神
      月神:月読神・不動明王
      併祀:常陸坊海尊(清悦仙人)
 例祭日:歳旦祭・1月1日、松納焚上祭・1月14日、厄祓・1月〜2月節分、春季例大祭(春祭特別祈祷斎行・榊流青麻神楽奉納):5月1日〜3日 、夏越茅輪くぐり・6月晦日、七五三・11月上〜中旬、秋祭(新嘗祭斎行)・11月23日、月次祭・毎月1日
 境内社:山神社、御井神社、七福神祠
 由緒:元禄11年(1698)、山火事により古記録等を焼失し不詳なれども、社伝によれば、第55代・文徳天皇の御世の仁寿2年(852)、現社家の遠祖・穂積保昌が山城国(京都府)よりこの地に来たり、里人に麻の栽培を教え、且、一族の尊崇せる日月星の三光神、天照大御神・天之御中主神・月読神の三神を、清水湧く山峡の岩窟中に奉祀せしが本杜の創始と伝える。また社名や地名も麻の栽培より起り、神紋も又麻の葉を用いる。仙台藩封内風土記(1772年成立)にも、「岩切邑 本邑山中青麻と号する地あり、往古この地・麻を植う、故に以て地名と為す。岩窟あり高さ一丈余・・・」と記している。天和2年(1682)、源義経家臣なりし常陸坊海尊(清悦仙人とも称する)、下野国(栃木県)出流山大日窟より、この地に至り霊験を顕し給いしにより併祀す。古来より中風病退除(常陸坊海尊の霊験による)、海上安全(穂積一族が水運に携わっていたことに因む)等の特殊信仰があり、「三度詣でれば生涯中風の難よりのがれる」と伝えられ、各地青麻神社の総本社である。古くは、青麻岩戸三光宮、青麻権現社、嵯峨神社などとも称し、中世から近世の古図や文献にも記載が見える。享和年間(1789〜1803)に社殿を再興し、明治8年5月郷社に列格。大正5年より、大正御大典記念事業として社殿の大増改築を行い、神域は荘厳を加える。昭和43年不慮の火災に遭い、社殿・随神門・神楽殿を失うも、同45年に現社殿等を完成する。現隨神門は平成12年9月の再建になる。(青麻神社公式HP より)

駐車場に建つ社号標
「青麻岩戸三光宮」
神社入口の社号標
「青麻神社」
神社入口
神橋右側に一体だけ残る昭和12年生まれのはじめタイプ狛犬
やや猫背で翁面のような顔つきをし、一人取り残された哀愁が身体全体から滲み出しています。
  
(昭和12年(1937)4月1日建立)
神橋から見た境内入口 境内入口の一の鳥居
一の鳥居前にいる安政4年(1857)生まれの仙台型狛犬
縦置き、阿吽共に角付きで、反対位置にいます。外側の前脚は台座から前にはみ出すほど踏みだし、内側の足は後ろ脚前まで引いています。温厚な顔立ちで、目尻に「烏の足跡」がある狛犬は始めてみました。
狛犬の拡大写真はこちらで
(安政4年(1857)6月建立)
一の鳥居後ろにいる宝暦4年(1754)生まれの小さな狛犬
仙台市内に多く見られるパンチパーマ狛犬で、両前脚が揃い、阿の頭上に微かな突起が見られます。後ろ脚は蛙の足のような感じです。大事にされているのでしょう、頭には手編みの帽子が被せてあります。
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(宝暦4年(1754)2月建立)
随神門
社史碑 名水・青麻神社のおすず
この日も引きも切らずに御神水をいただく人が訪れていました。
拝殿前の年代不明の狛犬
阿吽共に角付きで、穏やかな中にも愛嬌があり、ドッシリと落ち着いた狛犬です。
狛犬の拡大写真はこちらで
拝殿
拝殿内の様子

背後の斜面上に建つ弊拝殿、本殿
境内社・山神社
境内社・御井神社 ご神木
絵馬