賀茂神社

仙台市泉区古内字糺1(平成19年7月23日)

 この神社は東北自動車道・上り線泉PAの南西約600m、七北田川右岸近くに鎮座しています。道路端に建つ朱の大鳥居を潜るとすぐの石段上に聳えるイロハモミジの大木が枝を広げる様は壮観です。石段を上ると参道脇はよく手入れされた杉並木。深い杜の中からは小鳥達の囀りが聞こえてきます。100m程の参道が終わる頃、境内入口に建つ割拝殿脇の大樹二本は、樹齢200年以上と推定される市指定天然記念物・アラカシの巨木です。割拝殿を入ると、目にも鮮やかな上賀茂神社・下賀茂神社の二社殿が建ち並び、その重厚な茅葺屋根の美しさにはため息が出ます。又、イロハモミジの下、社殿脇などにとても良い狛犬がおりますので、狛犬ファンもぜひ参拝してください。

 御祭神:上賀茂神社・別雷命、下賀茂神社・玉依姫命
 例祭日:1月1日・元朝参り、1月14日・どんと祭、4月29日・春期例祭、7月31日・夏越大祓式、10月7日・秋季例祭、11月中・七五三祝祭
 由緒:元塩竈神社に鎮座し「只州宮」と称していましたが、元禄時代の諸神社造替の際、元禄8年(1695)四代藩主・伊達綱村公の命により、社家・鎌田信濃守がその遷座地として現在の古内村を選定し、先ず元禄9年(1696)下賀茂神社を現在地に遷座し、御祖神社として奉斎しました。翌元禄10年(1697)上賀茂神社も遷座し、別雷神社として奉斎しました。

社号標 神社入口
参道入口の石段を上がったところに東西2本並んで植えられている
県指定天然記念物・イロハモミジ
左は入口から、右は参道奥から振り返る。
春には新芽、初夏には鮮やかな緑、晩秋には色鮮やかな紅葉…と、四季折々の色彩で参道を染め、訪れる参拝者の目を楽しませているのでしょう。イロハモミジは、本州、四国、九州 の丘陵地の森や林の中、山の森や林の中、平地の林や日かげに分布する落葉広葉高木で、「イロハ」と名前がつくのは、七つに分かれる葉の裂片を「イロハニホヘト」と数えたことかららしいですよ。
イロハモミジの大樹の陰にひっそりと座っている明和3年生まれのはじめ系狛犬
縦置き、阿吽が反対位置で、双方に角が付いています。パンチパーマで口蓋が割れ気味ですが、ギリシャ神話の神々のような威厳が感じられます。鬣は短髪、狐の尾のような尻尾が背に張り付いています。
狛犬の拡大写真はこちらで
(明和3年(1766)3月21日建立)
参道の様子(中央から前後を撮す)
境内入口
割拝殿脇の大樹二本は、樹齢200年以上と推定される市指定天然記念物・アラカシの巨木です。アラカシは温暖地帯の山野に生育する常緑広葉樹で、本州・四国・九州に分布しますが、宮城県はその北限で、古木が生育していることは珍しいのだそうです。
境内の神楽殿
境内入口の長床(割拝殿)
上賀茂神社・下賀茂神社本殿
向かって左・上賀茂神社(別雷神社、地元では西の宮と呼ぶ)社殿と、右・下賀茂神社(御祖神社、地元では東の宮と呼ぶ)社殿の県指定有形文化財の二社殿が並んで建っています。両社は同型で一間社流造、茅葺屋根、箱棟造、朱塗で赤神様と呼ばれています。棟札によると、下賀茂神社社殿は元禄9年(1696)、上賀茂神社社殿は同10年(1697)の造営です。
阿・上賀茂神社社殿右側に、吽・下賀茂神社社殿左側にいる建立年代不明の狛犬。
縦置きで、角付き、小顔で双方とも内側前脚を後ろ脚の前まで下げている仙台型ですが、上半身がとても発達?しています。
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阿・上賀茂神社社殿左側縁に、吽・下賀茂神社社殿右側縁にいる
建立年代不明の神殿狛犬。
双方角付きですが、阿の顔面は無くなっています。この狛犬達は前脚が揃っており、吽を見る限り、柔和な可愛い狛犬です。
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神楽殿 境内社
境内入口から振り返る