仙台市青葉区川内亀岡(平成19年7月23日)
この神社は仙台駅の西約4km、先代西道路・青葉山トンネルの上に鎮座しています。入口の鳥居は天和3年建立で、昭和20年(1945)の空襲で社殿などは悉く焼失したため、往時を示す遺構はこの鳥居と石段だけとなってしまいました。神橋を覆うように繁る樹齢310年の枝垂れ桜は、お花見の季節にはさぞや見事な開花を見せるであろう事を想像させ、再訪を心に誓いました。その後の335段の石段は、石組みがずれていたり苔むしていたりで、随分登りづらいものとなっていますが、神社裏の住宅地に居住している方は日常的に利用しているようで沢山の方と行き交いました。辛いながらも気持ちの良い石段を登り切ると、境内・社殿などは綺麗に整備され、鎮守の杜も健在で、神域に相応しい雰囲気を漂わせていました。又、石段途中、境内などに2対+2体の変わり狛犬が居て疲れを吹き飛ばしてくれました。
御祭神:誉田別尊、玉依姫命、神巧皇后
例祭日:5月15日
境内社:高良玉垂神社
由緒:文治年間(1185〜1190)に伊達氏始祖・伊達朝宗が福島県伊達郡梁川に鶴岡八幡宮を勧請して建立したのが始まりで、伊達氏の仙台移封に伴い、慶長7年(1602)社人山田兄弟が仙台に入り、藩は寛永17年(1640)同心町に仮社殿を建て奉祀しました。その後仙台藩四代藩主伊達綱村により現在地に遷宮されました。明治4年村社に列しますが、昭和20年戦災を被り、旧社殿は悉く消失してしまいました。現在殿は一本杉・伊達家の氏神の社殿を移し本殿としたものです。そこで、昭和40年に新たに幣殿、拝殿其の他の建物を造営しました。
神社入口 天和3年(1683)の建立された石鳥居は、東照宮・大崎八幡宮の石鳥居とともに、仙台石(稲井石)鳥居の一つです。 |
神橋を覆うように繁る樹齢310年 市指定木・枝垂れ桜 |
神橋から見える石段 ここから市登録文化財となった天和3年(1683)造営の石段登りが始まります。この石段は年間の日数である365段あったそうですが、現在は削られて335段程になってしまいました。 |
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明和4年(1767)生まれの素朴な螺髪狛犬。 阿吽が反対位置にいて、双方共に角付きです。大きな眼には瞳が彫られ、長くたたまれた垂れ耳とパンチパーマの鬣は殆ど同じ長さです。頸が殆ど無く、尾は太い半円柱が背に張り付いています。大きく口の裂けた阿を見て、思わず「猫バス」を思い出してしまいました。 狛犬の拡大写真はこちらで |
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(明和4年(1767)3月28日建立) |
二つ目の石段 | その後は平坦な参道が続きます |
三つ目の石段 | 手水舎には二匹の鶴がお住まいです |
四つ目の石段 | やっと境内に着いたようです |
境内前面に居る文化9年(1812)生まれのでっぷり狛犬 縦置きで阿吽の位置が反対です。阿吽共に角付きで、中側の前脚を腿の位置まで大きく引いています。小顔横広の潰れた顔は愛嬌があり、想わず此方もにっこりとしてしまいそうです。背骨から流れる線は鬣でしょうか、肋骨でしょうか?筋肉の動き、関節なども線書きがしてあります。 狛犬の拡大写真はこちらで |
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(文化9年(1812)6月28日建立) |
拝殿 | 本殿 |
本殿左脇の境内社・高良玉垂神社、入口と社殿 | |
境内社脇に一体だけ残された猫顔はじめ狛犬 | |
拝殿前にいた一体だけの先代さん | |