佐倍乃(さえの)神社

名取市愛島笠島西台2(平成19年7月25日)

 この神社は岩沼市から県道39号線で北上し東北新幹線の愛島トンネルの上を通って約100m、道祖神前の信号を左折するとすぐ右手に鎮座しています。時間があり、又、工事中でなければ素晴らしい神門が拝見でき、又境内の雰囲気もずっと堪能できたと思いますが、ここに着いたのがpm5:57、入口からの眺めは青いシートで遮られ、夕闇迫る中での参拝と写真撮影で、慌ただしく落ち着かない参拝となり返す返すも残念です。次回にはじっくりと時間をかけた参拝をしたい神社です。

 御祭神:猿田彦大神、天鈿女命
 例祭日:4月20日
 境内社:佐具叡神社他
 由緒:元禄2年(1689)俳聖松尾芭蕉の「奥の細道」行脚の時に「笠島はいずこ五月のぬかり道」とよんだ句にある名取市愛島笠島に鎮座している神社で、旧社号を笠島道祖神社と称しました。景行天皇40年(110)の日本武尊東征の時から毎年4月20日を祭日とし、例祭日には宮城県無形文化財に指定されている出雲流の「道祖神神楽」が奉納されます。
 慶長7年(1602)野火に遇い、社殿及び古来の宝物、文書等一切焼失しましたが、後柏原天皇の時大永2年(1522)に本殿が造営されました。文禄元年(1592)伊達政宗公が社殿の修繕を、又元禄13年(1700年)綱村公が拝殿を修造し、祭田二貫文を寄進する等歴代の藩主に厚く尊崇されました。
 尚、平安朝時代の長徳4年(998)陸奥守に任ぜられた藤原実方中将朝臣が、赴任途中当社の前を通過した途端落馬し、一命を落した事は歴史的に有名であり、その墳墓はこの社より北方約700mの塩手字北野にあります。

神社入口
鳥居の額には「正一位道祖神」
社号標には「道祖神社」と書かれています。
入口にいる年代不明の狛犬
縦置きで、お腹の下の刳りぬきがないはじめタイプですが、阿の顔面は残念なことに崩れています。綺麗に残っている吽の方を見てみると、目が大きくやや飛び出し、鼻は人間的で口蓋は割れており、全体的な顔つきは蛙似です。石が脆いのか風化も激しいようです。
狛犬の拡大写真はこちらで
入口脇の石碑
筆家?、観世音碑 馬頭観世音碑
子安観世音 弁財天供養碑
秋葉三大権現 ?碑
随身門は唯今改修中 神楽殿
拝殿前の享和3年(1803)生まれの狛犬
縦置きで阿吽の位置が反対です。阿には小さな突起があり、吽の左前脚が失われています。シンプルな装飾で、和犬のような体型でお尻を落とし、口蓋が割れた動物顔はとても愛嬌があり可愛い狛犬です。
狛犬の拡大写真はこちらで
(享和3年(1803)4月吉日建立)
拝殿 本殿
本殿の木鼻・龍
何しろpm6:00を過ぎてからの撮影で、軒下は暗いので手振れしています。ご容赦を…。
境内社 式内・佐具叡(さぐえ)神社