春日神社

宮城郡利府町春日寒風沢35(平成19年7月22日)

 この神社は三陸自動車道・利府中ICの北西約1.1km、県道8号線沿いに鎮座しています。入口は人家の間を入っていくような感じですが、奥が深く、鎮守の杜の豊かな、静かで気持ちの良い神社でした。

 御祭神:武甕槌命、経津主命、天児屋根命、比淘蜷_
 境内社:北宮、山神社
 由緒:春日神社は藤原氏の祖神が祭られています。承和10年(843)に陸奥出羽国按察使・藤原富士麻呂が多賀国府に赴任した時、藤原氏の祖神・奈良春日大社の分霊を勧請して、塩釜の上野原に遷しました。その後、利府の小野田に遷し地名も春日と称しました。
 平安時代の奥州藤原氏、奥州留守職・伊沢左近将監家景、戦国時代の留守政景等に深く崇敬されていました。天正19年(1591)山火事で社殿を焼失しましたが、伊達政宗が再建する計画を立て、4代藩主・伊達綱村が延宝元年(1673)社殿を復元しました。
 明治9年(1876)またもや山火事で社殿を焼失しましたが、明治12年(1879)に再興されました。
 又、境内社の北宮神社は、古代において国府多賀城の区域を示すものとする説があります。東端は、七ヶ浜町・東宮、南端は多賀城市・南宮、そして北の端は北宮神社なのですが、西宮は現時点では不明だそうです。

神社入口 参道と鎮守の杜の様子
境内入口 長床
拝殿前の大正5年生まれの狛犬
縦置きで阿吽の位置が反対です。今まで沢山の狛犬を見てきましたが、こんな感じの子は初めてです。渦巻きの眉毛、瞳の彫られた穏やかな目、人間のような鼻筋、殆ど開けられていない線で描かれた大きな口、横に広がった三角耳、それらが絶妙にマッチして、静かな哲人のようなほのぼのとした味わいがあります。
狛犬の拡大写真はこちらで
(石工・菅野長助 大正5年(1916)3月23日建立)
拝殿 本殿覆い屋
境内社・北宮と山神社 燈籠の跡?