黒川郡富谷町富谷熊谷上(平成19年7月26日)
この神社は国道4号線・熊谷信号から西にはいると約200m位で右に鎮座していますが、神社入口へのしっかりとした道路はなく、田圃の畦道のような草の中を進みます。入口には独特の山王鳥居が建ち、整備された階段を上がると、土堤のような土塁に周囲を囲まれた境内があります。境内には正面に日吉神社の社殿が建ち、その右側に目にも鮮やかな朱色の境内社が祀られていました。それぞれの社殿前には、タイプの異なる江戸時代建立の狛犬が居て、とても楽しめました。
御祭神:大山咋命
由緒:勧請年月は不詳ですが、風土記御用書出(安永3年・1774)によると、承久年中(1219〜1222)比叡山より勧請した黒川三社の内の一社であるといい、奥羽観蹟聞老志によると、弘仁6年(815)に比叡山の行尊が造営したと伝えています。古くは日吉山王社、山王権現と呼ばれていました。
又、里に伝わる伝承では、遠い昔、熊谷には愛を全うするために鸛と戦い、バラバラになった大蛇の体の十個の破片を、哀れに思った里人が十ヶ所に葬り、宮を建ててねんごろに弔った
という言い伝えの残る十の神社があったことから「十宮(とみや)」と呼んでいましたが、いつのころからか、縁起のよい「富谷」と改めて書くようになったのだそうです。その十社のうち現在は、日吉神社だけが残っているのだそうです。
神社入口 | 日吉神社特有の山王鳥居です。 |
拝殿 | 本殿 |
拝殿前の嘉永6年(1853)生まれのはじめタイプ狛犬 縦置きで、若々しく可愛い狛犬ですが、無惨にも身体の後方が失われています。この狛犬にも目尻に「烏の足跡」が付けてあります、面白いですね。 狛犬の拡大写真はこちらで |
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(嘉永6年(1853)8月10日建立) |
境内社 |
境内社前の文化9壬申年(1812)生まれの狛犬 縦置きで阿吽の位置が反対です。双方角付き、内側の前脚をずらす、という典型的な仙台狛犬ですが、こんなに小さくて可愛い狛犬は、後にも先にもこの子達が一番でした。 狛犬の拡大写真はこちらで |
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(文化9壬申年(1812)3月建立) |
末社 | 馬櫪神 |