白山神社

刈田郡蔵王町平沢沢(平成19年7月21日)

 白山比盗_社から勧請されたのは貞観年中(859-876)で、現在村社である。現在の社殿は慶長19年(1614)、北境の領主・秋保摂津守が白山大権現に武運、家内安全を祈願し、新宮を建立奉納したときのものである。

 祭神は菊理媛神、及び伊弉諾尊。由緒書きでは菊理媛は伊弉冉尊の別称となっており、大国主命と事代主命は補佐神となっている。

 菊理媛は多くの場合伊弉冉尊とは別人であり、白山神社系としては菊理媛=白山比盗_とするのが一般的であろう。菊理媛は書物では日本書紀の異説として一場面に僅かに見られるだけではあるが、黄泉の国から逃げ出した伊弉諾尊と追ってきた伊弉冉尊の調停役として登場する。このため「ククリヒメ」の「ククリ」とは「括り」の意で、死者と生者の間を取り持つ巫女の神格化した神ではないかと言われる。他、「糸を紡ぐ(括る)」とする説、「潜り」の意で水神であるという説、等があり、九頭竜王であるとも弁財天であるとも言われる。つまり水端の妖怪(蛇)だ。

 これらのことから、菊理媛とは当時の朝廷とは敵対していた反勢力の存在であったことが窺える。土地神・山の神という説が多いのもそのためであろう。

由緒
鳥居 社号標
鳥居 社号標
成立年代不明の狛犬。恐らく明治〜大正辺りの作かと思われる。
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左(吽形) 右(阿形)
狛犬 狛犬
境内へと続く参道
参道 参道
参道左側の石碑
左から天神社・古峰神社。
参道右側の石碑
左から塩竃神社・白山神社。
石碑 石碑
拝殿 本殿
拝殿 本殿
ご神木 鐘楼
ご神木 鐘楼
摂社・八幡社
八幡社
神楽殿
神楽殿
境内に居た猫 神馬舎
神馬舎