大島神社

石巻市住吉町1-3-1(平成19年7月24日)

 この神社は石巻駅の東南東約700m、旧北上川右岸・住吉公園内に鎮座しています。横に広い境内には鎮守の森を背景に正面すぐに社殿が建ち、その右側に境内社が数社祀られています。境内には未だ神仏混淆の名残を示す梵鐘が建ち、老松も見事な枝振りを見せています。朱の太鼓橋で繋がれた旧北上川の中洲とも云える御島の北側の松の下の川中には石巻の地名の由来となった「巻石」があリました。又、住吉公園の北端には芭蕉と曽良が石巻に着いたその日に参詣したと、曽良の随行日記に記されている歌枕「袖の渡り」もあり多くの歌碑があります。

 御祭神:底筒男神、中筒男神、表筒男神、素盞嗚尊
 境内社:八幡神社、お蔵稲荷、天満宮、虚空蔵尊
 由緒:古来、大島神社(大嶋神社)、または飯石大島(イビシオオシマ)神社と称され、三代実録の清和天皇貞観5年(863年)10月29日条に「陸奥国勲九等飯大島神 授五位下」と記される式内社で、水難防除の神として崇敬されてきました。現社殿は宝暦3年(1753)に造営されました。明治7年に村社に列し、住吉神社という社名を排し大島神社と改称しました。

「村社 大島神社の社号標と
鳥居の社額「大嶋神社」」
神社入口
 
鳥居の後にいる年代不明の出雲丹後狛犬
狛犬の拡大写真はこちらで
拝殿 本殿覆い屋
拝殿前の年代不明の狛犬
阿吽が反対位置で、双方共に角付きです。この狛犬の足の組み合わせは変わっていて、阿は左前脚は前に右前脚は後ろ脚の上に置かれ、吽も同様で左前脚は前に出しおまけに右前脚は上に上げてまるで招き猫のような手つきをしています。仙台狛犬は縦置きで吽が左前脚を引いている形が多く、内側の足を引いているのですが、この狛犬は縦置き横置きにどう組み合わせてもそうはなりません、面白いですね。横広小顔の愛嬌がある顔、たっぷりとした体つきは江戸時代後期の狛犬の特徴が現れています。倒壊したのか前脚や吽の顔の右側が欠けているのが残念です。
狛犬の拡大写真はこちらで
境内社・八幡神社
境内社・稲荷神社
境内社・天満宮と天神様?
境内社・虚空蔵尊 梵鐘
境内の見事な老松 神社前の旧北上川に浮かぶ島・御島
北側の松の下の川中に、石巻の地名の由来となった「巻石」があります。
御島に架かる朱の太鼓橋 旧北上川河口の様子