熊野神社

舞鶴市大丹生オセガ谷653(平成22年7月27日)

東経135度21分52.3秒、北緯35度31分1.99秒に鎮座。

 この神社は大浦半島の平トンネルから大丹生へ向かう道路右側に鎮座しています。杉の木主体の黒々とした鎮守の杜の中に社地はありますが、入り口は明るく綺麗に整備されています。石段を上がった境内には社殿と境内社が一社建立されています。この社には笏谷狛犬が二対ありますが、その内の一対、元和7年(1621)建立の笏谷狛犬は、舞鶴市の文化財となり、拝見できないようです。

 御祭神:素戔嗚尊(熊野大神)
 祭礼日:7月17日・11月3日
 境内社:一社
 由緒:この社には由緒書が無く、創建は不明です。大丹生には、「宮さん」と呼ばれる大丹生神社と、「奥の宮さん」と呼ばれるこの熊野神社が鎮座していますが、この二社には「荒ぶる神の伝説」として以下のような伝承が残されています。
 「霊験あらたかなる熊野神社は現在でこそ市道の脇に鎮座していますが、元来は山の頂に鎮座していたのだそうです。熊野神社の神様は大変に気位が高く、民 の不敬を決して許しませんでした。往来する船からも山の頂にある熊野神社はよく見えたそうですが、船乗りが不敬をはたらく(洋上から山に向かって小便をす る等)と、たちどころに船を沈めてしまったりしたそうです。困ったことにこの山は航海上の目印になる山で、大浦半島に近づけば最初に見える山でした。これ ではうっかり用をたす訳にもいきません。
 村の衆は熊野神社を山から降ろして、海が見えないところに改めて社を造ろうとしました。しかし霊験あらたかにして気位の高い熊野神社の神様のこと、ひと つ間違えば村が滅んでしまうかも知れません。そこで村人は一計を案じました。近江の国から日吉大神を勧請して、熊野神社の神に遷宮を聞き入れて貰ったので す。」
というものです。日吉大神は大山咋神で、熊野神社の神・素戔嗚尊の孫神にあたります。神の世も人の世も孫に甘いのは同じ、ということなのでしょうか。
 (「凡海郷へようこそ」より)

社頭
入り口に立つ台輪鳥居 鳥居に掛かる額
入り口左に置かれた地蔵尊
石段参道の様子
境内入り口
社殿
境内社
社殿内にいる笏谷狛犬
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