伊智布西(いちふせ)神社

舞鶴市桑飼下216(平成22年7月28日)

東経135度13分52.61秒、北緯35度25分22.08秒に鎮座。

 この神社は由良川右岸、55号線沿いに鎮座しています。
 大きな森の入口に社号標や灯籠鳥居などが建立され、右手には、自然石の「桑飼下縄文遺跡碑」が建っています。鳥居を潜り石段を上がると境内で、神明造りのような簡潔な拝殿内に本殿が建立されています。境内社も多数祀られ、又、拝殿前と本殿縁に狛犬がいます。式内社と云うことですが、静かで閑静な神社でした。

 御祭神:道振命(丹後旧事記)、あるいは伊奘諾尊・伊奘冉尊(伊智布西神社取調書)などの説あり
 祭礼日:不明
 境内社:神明神社(国常立命)、稲荷神社(保食神)、三柱神社(奥津彦命・奥津姫命・火産霊命)、八坂神社(素盞嗚尊)、水無月神社、地主神社(「式内社調査報告」より)、秋葉神社、愛宕神社
 由緒:延喜式神名帳の加佐郡・伊知布西神社に比定される旧村社です。
 由良川流域の上流に、桑飼下の伊知布西神社があって、延喜5年(905)の創祀と伝えられている。祭神は道振命(丹後旧事記)、 伊奘諾尊・伊奘冊尊などと混乱がある。
 「丹後国式内神社取調書」は道振命について、越前国敦賀郡の市振神社(式内社)を参考にあげているが、その経緯は明らかではなく、伊知布西と市振の字音の類似から引用したものと思われる。「特選神名牒」はこの市振神社は廃絶したとしている。なお、境内社の兵主神社は全国的に分布しており、奈良県の「穴師坐兵主神社」(名神大)が有力で、兵主神は穴師の神人により信仰が伝播されたらしく(折口信夫全集)、 上安の高田神社にも同名の境内社がある。
(「舞鶴市史」より)

社頭
神社入り口
社号標
「式内伊智布西神社」
入口に立つ台輪鳥居
参道の様子
境内入り口
境内の様子
拝殿前にいる嘉永6年生まれの狛犬
舞鶴市和江・和江神社の狛犬とそっくりです。吽には小さな角があります。太く隆起した眉毛が垂れ耳にまで届き、後頭部の鬣が編み込んであるような変わった造りをしています。顔の感じは徳島辺りの狛犬と共通しているような…。
狛犬の拡大写真はこちらで
(嘉永6年(1853)癸丑8月吉祥日建立)
拝殿
本殿
本殿前縁にいる小熊のような狛犬
神楽殿? 境内社
境内社 境内社
境内社 境内社
左から 秋葉神社、愛宕神社、稲荷神社