藤森神社

舞鶴市行永弥加宜183-1(平成22年7月29日)

東経135度24分5.09秒、北緯35度26分33.49秒に鎮座。

 この神社は東舞鶴から51号線で南下した、舞鶴若狭自動車道北に鎮座しています。周囲は椿谷と呼ばれ、鬱蒼とした大きな森。その一角に案内板が立ち、鳥居が建立され、参道が昼なお暗い森の奥へと続いています。石段を上がると割拝殿が建ち、薄暗い境内に狛犬と本殿が見えます。本殿は小振りながら正面扉に菊の花と葉の透かし彫りが彫られ、目抜き彫刻や木鼻も付けられた立派な社殿です。境内背後の森が、いかにも谷間に造営された神社…という風情が感じられる眺めでした。

 御祭神:崇道天皇、牛頭天王
 祭礼日:6月24日、10月18日
 由緒:創建時期は不明です。
 倉梯村史には「崇道天王を祭る。よって大永年間(1521〜28)に、土豪池部重房が山城の国から藤森神社を歓請奉祀したものである」と伝えている。
 崇道天王とは、光仁天皇の皇子草良親王のことで、延暦4年(785)藤原種継の事件に連座し、桓武天皇の皇太子の地位を追われ絶食して命を断ったといわれる。
 山城の藤森神社は御霊信仰の祭祀が行なわれたところで、崇道天皇のほか、多くの武神を祀り「弓兵政所」ともいわれた社である。
 牛頭天王は、インドの祇園精舎の守護神とも、薬師如来の垂跡ともいわれ、農事や疫病と深くかかわりながら、厄神、除疫神として祀られている。
 6月24日の例祭は「湯上げ祭」として、疫病払い・家内安全・五穀豊穣を祈って行われている。

社頭
参道途中に立つ明神鳥居
参道の様子
割拝殿
境内の様子
本殿前にいる建立年代不明の出雲丹後狛犬
縦置きで、阿吽の位置が反対です。苔が付き、摩耗や剥落により顔の表情もよくは判別できなくなっています。
狛犬の拡大写真はこちらで
本殿
本殿正面扉の菊の花と葉の透かし彫り
本殿目抜き彫刻
本殿木鼻
境内背後の森の様子