浦嶋神社(水神神社)

福知山市戸田上嶋891(平成20年8月28日)

東経135度10分48.56秒、北緯35度18分19.34秒に鎮座。

 この神社は戸田地区の由良川左岸に鎮座しています。神社南側に道路を挟んで浦嶋伝説のある沼「お沼(ぬう)」が、由良川改修事業で堤防用地となった為、境内北側から南側に移築されていました。又神社の境内は改修中で参拝は社務所脇からとなりました。
 地図や社号標代わりの観光協会案内板には「浦嶋神社」とありますが、京都府神社庁の記載は「水神神社」と載っていますので、本来の社名は「水神神社」なのかもしれません。
 戸田地区は、由良川がそばを流れることから、昔から水害に遭ってきました。神社の周囲にも高い堤防壁が築かれています。本殿もその水害を免れるためでしょうか、堤防前の高い位置に建立されています。

 御祭神:月読尊
 境内社:秋葉神社、三柱神社、神武神社、疫神神社、愛宕神社
 由緒:この社は丹後を源とする浦島太郎伝承を伝える神社で、室町時代中期の1450年ごろ創建されたといわれています。お沼はその2、3年あとにできたとされ、形は亀の甲羅をかたどっています。
 その伝説とは「五百数十年前、沼のほとりの大木に、なぜか毎晩明かりがともり、村は大騒ぎになりました。
 そのころ、近くの川北地区に住む福寿院という山伏の夢枕に浦嶋太郎が現れ、「竜宮城から戸田村の沼に続く白岩がある。乙姫から『願い事はそこから知らせなさい』と告げられた。」と話しました。
 福寿院が戸田に出向いてその話をすると、村人から「明かりがともる不思議な沼がある」と聞き、足を運びましだ。ところが白岩は見つからず、思わず沼に手を触れると空が曇り、日照りに悩む村に大粒の雨が降り出しました。
 福寿院の隣には赤子をもつ夫婦が住んでいましたが、母親の乳の出が悪く、毎晩激しく泣きました。浦嶋は再び福寿院の夢枕に立ち、「お沼の水でおかゆを炊いて食べるがいい。」と告げました。その通りにすると乳があふれ出て、おなかいっぱい吸った赤子はぐっすり眠り、話を聞いた人々が願掛けに訪れるようになったのだそうです。
 村人たちは福寿院の助言を受け、沼のほとりに浦嶋をまつる神社を建て、日照りが続くと神社のほとりのお沼にやってきて雨ごいをした」というものです。
 そこで、亀を見つけると腹に願い事を書いてこの沼に放つ風習があるそうですが、今回移転時に亀さん達は由良川に放流されたそうです。
 その他、農耕用の牛が病気にかかるとこの水を与えると回復するとも信じられていたそうですよ。

浦嶋伝説のある沼「お沼(ぬう)」
由良川改修事業でお沼が堤防用地となり、境内北側から南側に移築されました。
社号標代わりの観光協会案内板 神社入口
境内入口にいる明治27年生まれの出雲丹後狛犬
苔むして貫禄充分ですが、保存状態は良好です。
狛犬の拡大写真はこちらで
(明治27年(1894)2月建立)
社殿全景
拝殿
本殿に架かる社額
「浦嶋大明神」
本殿
境内社:秋葉神社、三柱神社、神武神社、疫神神社、愛宕神社
上記境内社縁にいる建立年代不明の出雲構え獅子の神殿狛犬
狛犬の拡大写真はこちらで
境内社脇障子の彫刻
境内社二社