稲粒神社

福知山市川北1801(平成20年8月28日)

東経135度9分34.5秒、北緯35度18分25.9秒に鎮座。

 この神社は由良川に架かる川北橋の北西約500mに鎮座し、一面の水田の中にあり、遠くからでも鎮守の森がよくわかります。
 表参道は未舗装の畦道から農業用水が流れる小川に架かる石橋を渡ります。参道が右に曲がると大きな鳥居が建ち、正面には開放的な拝殿と市指定文化財の本殿が建っています。一間社流造の本殿は小振りながら、軒唐破風を付け、彫刻や組木の素晴らしい造りです。脇障子が斜後方に開いて付けてあるのも初めて見た珍しい形態です。
 又、境内右側から後方にかけて10社もの境内社が整然と祀られていました。
 シトシトと降る雨のせいでしょうか、しっとりと落ち着いた神社の佇まいに、日本の原風景を見ている様な気がして、何時の間にやら心穏やかになっていた私でした。

 旧川北村の鎮守社で寛政11年(1799)創建と伝えられています。
 境内社には八幡宮、八坂神社、天満宮、今宮神社、三柱神社、金毘羅神社、水無月神社、洞流権現、金成稲荷神社、北野荒神社があり、水無月、金成稲荷両神社では毎年、例祭が営まれています。
 地域の人たちが「水無月さん」と呼ぶ例祭は、水害や水難除けの願いを込めて約200年間も続いている伝統行事ですが、嘗ては約1km離れた由良川の旧川北橋のたもとの河原が会場で、祠も河原まで運んでいたのが、老朽化が進み、30年余前からは境内の川側に移動させるだけにとどめていました。ところが2004年の台風23号で境内一帯が約2mも冠水し、祠も倒されて傷みが激しくなった為、現在は動かせなくなったようです。そこで提灯屋台が復活し祭りの活気づけに一役買っているそうです。

神社入口 入り口の明神鳥居
社殿全景
拝殿

市指定文化財・本殿
一間社流造で軒唐破風を付けた銅板葺の本殿は、寛政11年(1799)に建立されました。
向拝彫刻は龍ですが、その上の柱を囓る狛犬の形相が鬼気迫る物があります。
本殿木鼻・狛犬と象
妻下の組物は、二手先尾垂木付の斗きょうを用い、
尾垂木端には渦紋を施し、四隅のものは龍の姿彫りにしてあります。
珍しく脇障子が斜後方に開いて付けてあり、中国風の人物が浮き彫りされています。
境内左奥にあるお旅所
お旅所を護る建立年代不明の出雲丹後狛犬
大分摩耗したり欠けたりしていますが、大事にしてくださっているのでしょう…補修の跡が見えます。
境内社:北野荒神社
境内社:金成稲荷神社 入り口と社殿
大正12年生まれのお狐様
右側のお狐様は耳や口先が欠けています。足元も補修してある様ですね。
(大正12年(1923)10月建立)
境内社:洞流権現
境内社:水無月神社
境内社:金毘羅神社
境内社:三柱神社
境内社:今宮神社
境内社:天満宮
境内社:八坂神社
境内社:八幡宮
境内の様子 境内から入口を振り返る
神社前の田園風景 そぼ降る雨の中、
羽黒トンボも羽を休めていました。