弓削神宮

熊本市北区龍田町弓削489(平成24年4月8日)

東経130度47分16.31秒、北緯32度50分36.27秒に鎮座。

 この神社は白川北岸近くに鎮座しており、参道の入口は207号線脇に在ります。一の鳥居を潜ると参道は変電所脇を通り300m程南に向かい、杉などの木々の下に左手横向きに二の鳥居が建立されています。今度は東向きに向きを変えた参道が銀杏並木の間を境内へと向かっており、左手に駐車場やゲートボール場があります。
 境内に入ると右手に社務所、左に夫婦殿が配され、中央奥に千鳥破風・唐破風付き入母屋造りの拝殿・弊殿・本殿が建立されていますが、それぞれの社殿前や中には沢山の“ごもっとも様”が奉納され、又、釘がたくさん刺さってイガグリの様になった棒や絵馬などの浮気封じ祈願の奉納物も数知れず…馬鹿な夫や恋人の浮気に、人知れず悩む女性の何と多いことか…。
 なにやら気恥ずかしい感じもありますが、此処まで徹底しているとそのおおらかさには脱帽。でも、道鏡さんは確か栃木県下野市の下野薬師寺別当となり、龍興寺に道鏡の墓と伝えられる塚があった筈…という疑問が無いわけではないですが…。
 又、白川対岸の東区・弓削町にはこの社と対になったように「上弓削神社」が鎮座しています。云い伝えでは白川をはさんだ一対の弓削神社(龍田町弓削の弓削神宮・女神と、弓削町の上弓削神社(弓削法皇社)・男神)では、男神が対岸の女神のもとに通う為川の中の飛び石を渡り、毎夜の逢瀬を楽しんでいたといわれています。そこで、農作物の豊穣、子授け、多産や夫婦仲のよさと子宝に恵まれた、家庭円満の守り神とされてきたそうです。

 御祭神:第四十六代孝謙天皇(女帝)、側社:藤子姫
 祭礼日:1月1日・歳旦祭、6月1日・長寿奉告祈願、6月20日・大祓式 夏越祭、9月15日・報謝願解祭、10月17日・秋季例祭(恩徳祭)夜神楽奉納、11月七五三参り・歳旦祭、12月20日・大祓式 年越祭、12月31日・除夜祭
 境内社:夫婦殿、七春天神
 由緒:今より凡そ七百六十年前、元仁の頃第八十六代後堀河天皇の御代と古老より代々云い伝えがある。
 天正十年島津義弘が御船の甲楽宗雲を攻せんせし時、その配下の新納武蔵忠元の軍勢に社殿を荒され、神器宝物悉く失い、有住有任の両名、漸し御体を奉持して難をさけたといわれる。
 その後明治四十五年に不慮の火災に遭い残された神器宝物の一部と神宮の記録一切が消失した。このため大正二年現社殿が築造された。

陽形物奉納の起因と由来
 弓削は古代弓削部の置かれた処で伝説によるとその昔、この里に藤子と云う妖艶華麗な姫が住んでいました。
 ある日朝廷を追われた法王(弓削の道鏡法師)出身地の弓削部を尋ねて偶然、藤子姫を見染め遂に深い契りを結んだのでした。
 それからというものは藤子姫の献身的なもてなしと交合よろしきを得て、さすがの大淫蕩をもって知られる道鏡法師も以来よき夫となり、この里に安穏の日々をおくったということである。
 この陰陽相整うということが即ち万物生育豊作を意味し、村人が藤子様と恐れ崇めまつるのも亦、由縁さきことではありません。
 性器を崇拝し天地陰陽の相合によって農作物の豊穣を祈願したという古代民族の信仰のありかたを想像すると豊作の祈願のために奉納したものと思われる。
 要は夫婦和合一家団欒を願い子孫の繁昌を祈るあまり何時の頃からか夫の浮気封じの願いをかける神として崇められるようになったと思考される。

御霊験
 古来弓削神宮は五穀豊穣、家業繁栄の神として崇められ豊作を祈り夫婦円満、子孫繁栄を願ったものですが特に陰陽茎の弱筋、子宝に恵まれない人、縁遠き男女、下の病に悩む人、夫婦間の不和、浮気封じの問題解決等多くの霊験があります。
 それが祈願成就の陰陽形物奉納となっています。
 これらの御願いを持つ参詣者も数多く毎日香華の絶えることはありません。




207号線脇の参道入口
一の明神鳥居 鳥居に掛かる額
300m程南に向かう参道の様子
社頭
神社入口
神社入口に立つ二の台輪鳥居 鳥居に掛かる額
参道の様子
境内の様子
拝殿前、昭和35年生まれの狛犬
岡崎現代型が一世を風靡していた時代、この様に地域色を残した狛犬が造られていたとは…熊本人に拍手!
狛犬の拡大写真はこちらで
(昭和35年(1960)1月建立)
千鳥破風・唐破風付き入母屋造りの拝殿
拝殿内の様子
種々雑多な“ごもっとも様”が奉納されている弊殿内の様子
拝殿脇に立っているミニ鳥居
本殿

境内社:夫婦殿ととても立派な“ごもっとも様”

拝殿前に置かれている立派な男性の“ごもっとも様”
裂け目には沢山のおみくじが刺さっています。
拝殿前に置かれている、こちらは女性の“ごもっとも様”?
開運厄除守りも“ごもっとも様”です。
七春天神?
鎮座750年記念碑 石碑

ご神木・藤
ご神木・夜泣き貝が棲息する大銀杏