老神神社

人吉市老神町949(平成19年6月25日)

 この神社は球磨川と胸川の合流地点近くに鎮座しています。胸川の対岸には大手門横長櫓が復元され、南側には球磨焼酎の蔵元さんがあり、工場見学に訪れた夫は試飲と言うよりは本格的な呑みモードに入っていました。入口は狭めで分かりづらかったのですが、鳥居を潜り境内にはいると広々とした感じで、右手には老神神社会館、左には神池と四社の境内社が祀られ、参道途中には「肥後もっこす」を思い起こさせる狛犬がおり、そして正面に妻入りの拝殿と大きく重厚な萱葺きの鞘堂が見えます。驚いたことに本殿左右脇の間の虹梁には、一対の邪鬼が棲息していました。

 御祭神:瓊々杵命、木花咲耶姫命、彦火々出見命、火照命、火須勢理命、豊玉姫命
 例祭日:11月26日
 境内社:菅原神社、弁財天社、稲荷神社、淡島神社
 由緒:創立年代は不明ですが、一説には大同2年(807)霧島神社から勧請されたとも伝えられています。江戸時代までは老神大権現と呼ばれ、本殿は寛永5年(1628)に藩主・相良長毎とその子頼尚により、相良氏一族の産宮として再建されたもので、寛永15年(1638)改築されています。社殿は小規模ながら建築様式、小壁、欄間の絵画彫刻に桃山時代風の豪華な手法が残されているそうです。

神社遠景
社号標
境内入口
昭和8年生まれの「肥後もっこす」を思い起こさせる狛犬
優しい目つきで、顎の張った顔つきは、朴訥で、良い意味での意地っ張りな熊本県民性を象徴しているように見えます。口髭、顎髭を蓄え、鬣は綺麗な筋が入った緩い縦ロールで、短めで、尾は太筆の穂先のような感じです。吽には雄の象徴が付けられています。
狛犬の拡大写真はこちらで
(石工・角田鶴吉 昭和8年(1933)11月吉日建立)

国指定重要文化財、寛延2年(1749)建造の拝殿、神供所
国指定重要文化財、万治2年(1659)建造の萱葺きの鞘堂と
寛永5年(1628)建造の本殿
本殿左右脇の間の虹梁には、一対の邪鬼が棲息しています。
境内社・弁財天社 境内社・菅原神社
境内社・稲荷神社

境内社・淡島神社入口と社殿
落ち着いた佇まいの境内の様子
社のすぐ東側を流れる胸川対岸に復元された大手門横長櫓