青井阿蘇神社

人吉市上青井118(平成19年6月24日)

 この神社はJR肥薩線・ひとよし駅の南約250mに鎮座しています。道路端に建つ一の鳥居を潜ると朱の欄干が美しい神橋が清楚な白い花を咲かせている蓮池に架かっています。この蓮池は昔の馬場後に造られたそうですが、アヒルやカメが住みつき、この日は鴨が集中豪雨にたまらず、鎮守の杜の木の下に避難してきたのに出会いました。境内にはいるとすぐに目に付くのは、国指定重要文化財の重厚且つ華やかさを合わせ持つ茅葺の楼門で、この楼門には夫の大好きな司馬遼太郎も「街道を行く」の中で「この桜門は京都あたりに残っている桃山風の建造物などよりもさらに桃山ぶりのエッセンスを感じさせる」と感嘆したほどだそうです。その他、拝殿、幣殿、本殿などの社殿は全て国指定重要文化財となっており、壮麗且つ重厚な佇まいで、至る所にきれいな文様や彫刻が施されています。又、狛犬フアンには参道狛犬二対、神門狛犬一対、神殿狛犬一対と計四対の狛犬が迎えてくれます。

 御祭神:建磐龍命・阿蘇津媛命(建磐龍命の后)・国造速甕玉神(両神の子)
 祭礼日:おくんち祭・10月3〜11日(10月9日神幸式)、夏越祭・旧暦6月30日(7月下旬〜8月中旬)、稲荷神社初午・旧暦2月初午日、祈年祭・2月11?日、新嘗祭・11月23日
 由緒:通称「青井さん」と呼び親しまれている、人吉球磨地方で最も古い神社の一つで、旧社格は県社、現在は神社本庁の別表神社です。大同元年(806)9月9日、阿蘇神社神主・尾方権之助大神惟基が、神託により阿蘇神社の祭神12柱のうち3柱の分霊を青井郷に祀ったのに始まると伝えられます。
 室町時代には、領主相良氏より氏神として篤い崇敬を受け、数度の社殿の造営・修造が行われました。現在の社殿は相良家20代藩主・長毎が、江戸時代はじめ慶長15〜18年(1610〜1613)に大造営したときのもので、桃山時代の特徴を示しており、国の重要文化財となっています。

神社遠景
正面が蓮池、右端が鎮守の杜です。
蓮池に住む?鴨さんも、時ならぬ集中豪雨にたまらず、避難の最中でした。
神社入口 蓮池に架かる神橋
蓮池で咲いていた純白の蓮の花も、強い雨に打たれ、花びらが下を向いてしまいました。
社号標 境内入口に建つ朱の靖国鳥居
昭和10年生まれの獅子頭の顔を持つ狛犬
身体に比べて顔が大きく、糸鋸のような細かなノコギリ歯です。阿は口中に玉を含み、私と同様天然パーマ系の縮れた鬣と、狐のように付け根が一端身体から離れた後太くなり、又お尻にくっついた尾を持っています。
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(昭和10年(1935)8月建立)
国指定重要文化財・慶長18年(1613)建立の
重厚且つ安土桃山時代の華やかさを合わせ持つ茅葺の楼門
木製神門狛犬
神門左右にいて随神さんと共に社をお護りしている木製狛犬です。小顔で首が長く、如何にも雅な感じの狛犬ですが、阿の上顎は欠損しています。木目が見えたり、木割れがしていて、相当以前からこの社に棲息していた様に見受けました。
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国指定重要文化財・慶長16年(1611)建立の
茅葺の屋根が美しい、落ち着いた拝殿
神殿狛犬が居ましたが、上体部分は御簾に隠れて見えません。

国指定重要文化財・慶長15年(1610)建立の
茅葺屋根で大きく重厚な造りの幣殿。
激しい雨に、境内にいた
鶏も軒下で雨宿りです。

国指定重要文化財・慶長15年(1610)建立の本殿

境内社・稲荷神社入口 稲荷神社拝殿
拝殿内の様子 稲荷神社本殿
稲荷神社拝殿内にいた小さな狛犬二対と多数の狐



境内社・宮地嶽神社拝殿 宮地嶽神社本殿
境内の様子と楠の大木
平成11年生まれ、青井大神宮前の狛犬
未だ8歳にもかかわらず、体中に苔など生やして、貫禄充分な姿をしています。阿吽共に平顔で天空を睨んでいます。阿は耳を立て、吽は小さな角があり垂れ耳、縦ロールのような太めの巻き毛の鬣で、尾は付け根から左右に大きな渦を巻き、中央は真っ直ぐに立てています。肩から胸の線、前脚が太く逞しい感じがします。
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(平成11年(1999)建立)
末社 青井大神宮入口
青井大神宮社殿
左・外宮、右・内宮
末社
神木神、水神、地神の石祠