阿蘇神社

阿蘇市一の宮町宮地3083-1(平成24年4月4日)

東経131度7分5.8秒、北緯32度56分40.58秒に鎮座。

 この神社は熊本県北東、阿蘇山の北麓に鎮座しています。
 南北にある入口が参道で結ばれ、その西側に「日本三大楼門」に数えられる二層の屋根を持つ豪華な楼門が建つ全国的にも珍しい横参道で、参道の南には阿蘇火口、北には国造神社が位置していると言われています。中世の戦国期に肥後中部で勢力を誇示していた阿蘇氏と縁の深い大神社だそうです。
 社号標が立つ南参道から入ると、右手には南門守社、御神泉、北門守社、神池、一之神陵、二之神陵などが配され、左手に国重要文化財指定の還御門・楼門・神幸門が回廊により繋がれて建立されています。楼門は高さ21mの2階建十二脚唐門様式で二層楼山門式ともいう豪華な造りをしています。その楼門に掛かる大額は有栖川親王の御染筆だそうです。
 境内に入ると、正面に狛犬が護る千鳥破風付き入母屋造りの大きな拝殿と、左右に翼廊が広がっています。その翼廊内には正面左から国の重要文化財に指定されている一の神殿、別殿、三の神殿が木々の間に荘厳に建ち並んでいます。そして境内には、古代より神石として伝承保存されている「 願掛け石」、謡曲「高砂の松」に因んだ 縁結びの松等が見られます。
 又、田作祭等の神事は稲作と深く結びつき、「阿蘇の農耕祭事」として国の重要無形民俗文化財に指定され、九州を中心として日本全国に約450の分社があるそうです。

 御祭神:一の宮・健磐龍命、二の宮・阿蘇都媛命、十一の宮・國造速瓶玉命
       併せて十三座のうち延喜式所載三座
 祭礼日:御田植神幸式祭(通称おんだ祭)・7月28日、卯の祭 田作祭・3月中卯の日より卯の日の間、火振神事(御前迎え)・田作祭の中申の日の神事 参道は火の海と化す、祭りあげ(田作神事)・田作祭 亥の日の神事、田寶神事(放生会)・9月25日 流鏑馬あり、節分祭・2月節分当日古式による疫神鎮めの神事あり
 境内社:南門守社、北門守社
 由緒:神社の創立、社伝に孝霊天皇9年御子速瓶玉命 阿蘇宮を創建すと伝う(280)景行天皇18年惟人命初代大宮司として祭祀を司る。爾来連綿として91代現宮司に至る。
(「阿蘇神社由緒略記」より)

 孝霊天皇9年6月、健磐龍命の子で、初代阿蘇国造に任じられた速瓶玉命(阿蘇都比古命)が、両親を祀ったのに始まると伝えられる。阿蘇神社大宮司を世襲しこの地方の一大勢力となっていた阿蘇氏は、速瓶玉命の子孫と称している。
 『延喜式神名帳』には、一宮が「肥後國阿蘇郡 健磐龍命神社」と記載され名神大社に列し、二宮が「肥後國阿蘇郡 阿蘇比盗_社」・十一宮が「肥後國阿蘇郡 国造神社」と記載され小社に列している。
 肥後国一宮とされて崇敬を受け、広大な社領を有していたが、豊臣秀吉の九州征伐の際に社領を没収された。その後、改めて天正15年に300町の社地が寄進され、さらに、領主となった加藤清正、肥後藩主として入国した細川氏によって社領の寄進、社殿の造修が行われた。
 1871年(明治4年)、近代社格制度において国幣中社に列し、1890年(明治23年)に官幣中社、1914年(大正3年)に官幣大社に昇格した。
(フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』より)

南参道入口
南参道入口に建つ木製鳥居 社号標
「肥後一之宮阿蘇神社」
南参道入口から見る、全国的にも珍しい南北を貫く横参道
国重要文化財指定 還御門・楼門・神幸門
楼門は十二脚唐門様式で 俗に二層楼山門式といい、還御門・神幸門は四脚門形式で、天保6年(1835)〜嘉永3年(1850)にかけての再興で建立されました。
国重要文化財指定・楼門
楼門に掛かる
有栖川親王の御染筆額
楼門に掛かる大注連縄
龍頭の額
拝殿前から見る楼門
楼門から見る境内の様子
拝殿前、大正13年生まれの狛犬
垂れ耳で犬顔。前脚が短く、その分首が長く、胴体に比べて大きな頭部をしています。何ともユーモラスで楽しい狛犬です。
狛犬の拡大写真はこちらで
(熊本市河原町石工・松尾徳一 大正13年(1924)11月建立)
千鳥破風付き入母屋造りの大きな拝殿
拝殿内の様子
祝詞殿側面から
国重要無形民俗文化財指定・一の神殿(正面向かって左手、いずれも男神)
一宮:健磐龍命(第1代神武天皇の孫)
三宮:國龍神( 二宮の父。神武天皇の子)、五宮:彦御子神 ( 一宮の孫)
七宮:新彦神(三宮の子)、九宮:若彦神( 七宮の子)
国重要無形民俗文化財指定・二の神殿(正面向かって右手、いずれも女神)
二宮:阿蘇都比当ス( 一宮の妃)
四宮:比東芬q神( 三宮の妃)、六宮:若比盗_(五宮の妃)
八宮:新比盗_(七宮の娘)、十宮:彌比盗_(七宮の妃)
国重要文化財指定 別殿(真正面最奥、いずれも男神))
十一宮:國造速瓶玉神(一宮の子。阿蘇国造の祖)
十二宮:金凝神( 一宮の叔父。第2代綏靖天皇を指すとされる)

南門守社
北門守社
一之神陵 健磐龍命
第一神陵の神杉
二之神陵 阿蘇都姫命

願かけ石入口
願かけ石社殿
願かけ石
願かけ石鞘堂に掛けられていた絵馬
「えんむすび」高砂の松

神池
御神泉


北参道入口から見る、全国的にも珍しい南北を貫く横参道
北参道入口に立つ木製鳥居