竜宮神社

土佐清水市白碆(平成23年3月30日)

東経132度58分9.08秒、北緯32度43分35.76秒に鎮座。

 この神社は足摺半島の西の岬・臼碆(うすばえ)海岸に位置し、27号線・白碆バス停前の駐車場にある参道入口に一の鳥居が立っています。すぐ傍の案内板には「竜宮神社400m」と書かれており、ここから快適な遊歩道を進むと、約120m先の監視台と神社の分岐点に、又、案内板があります。
 ここからはウバメガシの樹海の中を標高差にして約70〜80mほど降っていきますが、薄暗い樹林帯が途切れた途端に、今までに感じたことがないほどのものすごい衝撃を受けた、素晴らしい景観にお目に掛かることになります。この衝撃はとても文章や写真などでは表せないほどの大きさで、是非皆さんもご自分で体験して戴きたい…と、心から思う、お奨めの神社です。
 思う存分この景観を楽しんだ後は海風に逆らいながらの参道歩きですが、岩礁地帯に造られた参道は何時もの神社参拝とはひと味違った趣があり、これまた十分楽しめました。境内では周囲の海山の360度の大パノラマが見られ、上から見た光景とは又違った風景が展開し、不遜にも神社参拝ではなく、観光客気分で歓声を上げておりました。
 これほどの景観を、たった二人だけで堪能する「二人占め」ができた、最高の神社参拝でした。

 案内板には「豊漁と海上安全を祈願する神社で、お詣りするとかならず大漁すると言われます。」と、極簡潔に書かれていますが、サイト「松尾浪漫を楽しむ心得」には、次のように紹介されています。
 「竜宮神社は、足摺半島の西の岬・臼碆(うすばえ)海岸に位置し、ジョン万・黒潮ロード(県道27号線)から徒歩で5分、ウバメガシ樹海を抜けると黒潮の香りが充満する中腹からも良く見える荒磯に建てられている朱色社殿である。
 ご神体は弁才天で豊漁と航海安全にご利益がある。
 この臼碆は黒潮流軸が直接岸にぶつかる全国でも唯一の場所で、晴天無風でも潮流は大きくうねり波しぶきをたてながら、さながら航行する漁船の行く手を遮るかのように流れる。
 この沖合い一帯は、紀州(印南・切目)の漁師が最初に発見した「鰹漁場」で土佐鰹節製造のゆかりの漁場である。カツオ・ブリ・清水サバ・ヨコ・ヒラマサ・トビウオ・グレ・クエ等々魚の宝庫であり、船乗り漁師はもとより、漁業に従事する人はこの地域では昔から多い。
 黒潮が沖縄や鹿児島から運んできた「黒潮文化」のいわれをもつとされるこの竜宮神社は鼻前七浦の神様で「臼碆祭り」が行われ「竜宮さんにすばえる、竜宮さんを勇める」意味合いから特に、船乗り亭主を持つご婦人たちが、社殿の前で海に向かって着物の裾を控えめ捲り上げるのが最初の願掛け、神様とはいえ、小出しに見せていくのがミソで、大漁が叶ったお礼参りの際に初めて大胆に露出する。
 今も昔も沖合いに出ての漁は命懸けで、陸で待つ妻も負けじと、祈願に体を張ったわけで、今でもバスを借り切るなどして、市内外の漁村婦人が参拝に訪れ古式にのっとった願掛けが伝説の所以である。
 臼碆のいわれは、竜宮神社の沖合いにある(沖の臼碆=沖臼)が海流の関係で碾き臼(ひきうす)に似ていることからこの地名がついたとされている。ちなみに松尾とは、昔から松魚(まつうお=カツオ)漁で栄えていたことからこの地名がついたといわれている。
 竜宮神社の東西の山頂には、270度の太平洋が望める「臼碆展望台」や戦時中に構築された「太平監視台」跡、「沖臼」を常時照らす「臼碆岬灯台」などがあり、壮大な景勝地である。」

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27号線・白碆バス停前の駐車場にある参道入口に立つ一の鳥居
鳥居に掛かる額「龍宮神社」 参道入口に立つ案内板「竜宮神社400m」
監視台への道と共通の神社参道
鳥居が立つ入口から約120m先の、監視台と神社の分岐点に立つ案内板
ここから参道は、ウバメガシの樹海の中を、海に向かってグングンと降っていきます。その標高差は約70〜80mほどでしょうか?そして、薄暗い樹林帯が途切れた途端……。
そこは別世界!!
目映いばかりの太陽光線、荒々しい磯の風景と太平洋の澄み切った青が、目に入ってきます。そして吹き上げる磯風、カメラを構えるのも少し風が収まるのを待ってからでした。この絶景と、込み上げる感動を、とても写真で表現することは出来そうにありません。是非、ご自分の目で、耳で、肌で、感じてください。今まで数限りなく神社を巡ってきましたが、私的には5本の指に入る絶妙な景観でした。
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この荒磯の岩肌を縫うように、コンクリート造りの参道が、海に突き出た突端に向かって延びています。そして岩礁の高台を回り込むように、海側に進むと…。
石垣が組まれた上に境内の入口があります。
境内入口から見る紺碧の海・太平洋
前方、海(太平洋)側、パノラマ写真はこちらで
境内に立つ朱の木製鳥居
社殿
境内から参道を振り返る。
境内から見る監視台、展望台方面パノラマ写真はこちらで