高知県

高知県は昔土佐国と呼ばれ、その辺鄙さゆえに「鬼国」と呼ばれ蔑まれていたといいます。内実は、天嶮たる山岳のすきまに暮らす民族がお互いを牽制し合いながら住んでいたという程度で、それが香宗我部氏、長宗我部氏という有力豪族に仕切られるようになったところに織田信長率いる全国統一軍が攻め込んで来て、最終的には豊臣軍に参加した長宗我部氏は今度は大阪夏の陣で敗北し、公儀家康の支配下に置かれることになり、山内家率いる上士と県下各地に点在していた地元豪族転じて郷士が対立する構造となったのです。時は過ぎ300年後の幕末には郷士から出た坂本竜馬や岩崎弥太郎(三菱財閥創始者)、上士の板垣退助、後藤象二郎が長州薩摩勢と江戸や京で近代化に奔走し、土佐藩から高知県へと無事移行出来たのです。
こういう歴史を踏まえて、高知県の県民性は、中央の者(上士)に迎合せず、何かを押し付けられること、同じひとまとまりに収まることが嫌いであり、少し好戦的なところもあるといわれています。(高知県史・民俗編参考)