佐喜浜八幡宮

室戸市佐喜浜町5621(平成19年3月30日)

 この神社は国道55号線で室戸岬に向かう途中の、佐喜浜中の南100m、道路左側に鎮座していますが、実際の神社入口は浜辺に近い一般道にあります。広い社地で、所々に巨木が聳える豊かな鎮守の杜は残されていますが、参道や境内は明るく開け、清々しさの中にも南国特有の伸びやかな感じが漂う、気持ちの良い神社でした。

 御祭神:応神天皇(誉田別命)
 例祭日:大祭・10月第二日曜日
 由緒:佐喜浜の総鎮守で、いつごろ創建されたかは明らかではありませんが、鎌倉時代の天福元年(1233)に京都男山石清水八幡宮より誉田別命を分霊勧請して、それ以前にあった社を再興していることが知られています。
 10月第二日曜日の大祭に執り行われる古式行事は、県の無形民俗文化財に指定されています。大鳥居から拝殿に至る約100メートルの参道両脇で繰り広げられる酒宴や、即興で演じる小狂言「俄(にわか)」、独特の獅子舞「狂い獅子・荒獅子」など、県下に例のない古式をとどめた祭りだそうです。「俄」とは、「素人が、宴席や街頭で即興に演じたこっけいな寸劇。江戸中期から明治にかけて流行。座敷で行う座敷俄、屋外で行う流し俄などがあり、大阪俄・博多俄などが有名。のちに職業として、寄席で、道具・鳴り物入りで行うようになった。(大辞泉より)」ということで、楽しく尚かつ風刺の利いた芝居なのですが、当日までどんな内容の物であるかは、戯作者以外は誰も知らされないのだそうです。

社号標 神社入口・大鳥居
昭和12年生まれの狛犬です。丸い目と鼻が大きく出ていて、この二つの部分だけで顔の半分を占めています。鬣は後頭部からワラビの新芽のように顔の向かって流してあります。何ともユニークで独創的な狛犬です。    狛犬の拡大写真はこちらで
(昭和12年(1937)3月吉祥日建立)
参道の様子 参道途中の二の鳥居
文化10年(1813)生まれの浪花狛犬。まん丸い目に瞳が描かれ、中央の三角形の大きい鼻と平歯の長い歯がとても目立ちます。    狛犬の拡大写真はこちらで
(文化10年(1813)8月吉日建立)
境内入口 横広の拝殿
本殿挙鼻の狛犬。
追いかけっこをして遊んでいるような、ウキウキした雰囲気が伝わってくる構図です。
本殿木鼻の龍
拝殿内の様子 本殿
本殿縁にいる木製神殿狛犬
浪花系の参道狛犬を模した、比較的新しく建立された物のように見えます。
参道と境内の伸びやかで勢いの良いご神木