土佐神社
高知市一宮しなね2-16-1 (平成23年4月1日)
東経133度34分46.63秒、北緯33度35分21.25秒に鎮座。
この神社は言わずと知れた土佐一宮で、高知市街地の北東に鎮座しています。
広大な社地を保ち、国道脇の楼門から参道が真北に約300m程続きます。そして樹齢数百年の杉や檜が鬱蒼と茂る中に、本殿、拝殿、幣殿、鼓楼、絵馬殿などの建築物が立ち並ぶ様は壮観です。
現存の社殿は元亀2年(1571)再建のときのもので、幣殿 と拝殿を合して十字型に造る「入蜻蛉」と称される独特の様式となっています。この本殿・幣殿・拝殿・鼓楼は国の重要文化財(旧国宝)に指定されています。
又、鎮守の森の中を巡る「志那祢の森めぐり」は、森林浴をかねて気持ちの良い散策が出来るお奨めコースです。
今回この社に再々訪の運びとなったのは、姫路市在住の鬼師・安川清泉さんが、今年の1月15日に拝殿内にいる一体だけの備前焼の宮獅子・阿の相方・吽を建立されたので、一対となった宮獅子を拝見しに行ったのです。安川さんは阿の前足も治されたそうで、約半世紀以上独りぼっちだった阿も、心なしか毅然として且つ嬉しそうな表情に見えました。江戸末期の名工と現代の名工が心を込めて建立された宮獅子、皆さんも是非御覧になって戴きたい…とお奨めできる名品です。
御祭神:味鋤高彦根神、一言主神
例祭日:1月1日・歳旦祭、1月第3日曜日・射初祭、3月11・12・13日・斎籠祭(田植前に豊作を祈願する祭儀)、6月30日・大祓式(夏越の祓)、8月24・25日・しなね祭、10月8日・秋祭、11月23日。新嘗祭、12月31日・大祓式
由緒:土佐神社の創祀は不詳ですが、境内東北方の礫石と呼ばれる自然石を磐座として祭祀したものと考えられ、古代に遡ると言われています。平安時代、醍 醐天皇の御代には式内大社に列せられ「都佐坐神社」と称され、特に皇室の崇敬あつく勅使の参向もしばしばあり、朱雀天皇の御代天慶3年(940)には、神 階を正一位に進ませられています。鎌倉時代初頭には神仏習合時代に入り、土佐国総鎮守一宮とされました。神宮寺・善楽寺と共に一宮を形成し、「土佐高賀茂 大明神」と称えられました。室町時代には、武門の崇敬あつく、正親天皇の御代元亀元年(1570)には、長宗我部元親公が、本殿、幣殿、拝殿を再興、安土 桃山時代後陽成天皇の御代慶長6年(1601)には、山内一豊公が以前の社領を免許し、二代忠義公は摂社、末社を始め、鳥居、楼門、鼓楼を増築して、土佐 の国最上の祈願所としました。明治元年、神仏分離令により、永年続いた神仏習合時代が終わり、明治4年には「土佐神社」と改称、社格を国弊中社に列しまし た。戦後、昭和21年官国幣社の制度が廃止され、現在では神社本庁の別表神社とされています。(「土佐神社公式サイト」より)
「土佐神社由緒」拡大写真はこちらで
社号標「土佐國一ノ宮」 |
社号標
「國幣中社 土佐神社」 |
|
|
楼門(神光門) 寛永八(1631)年、二代藩主山内忠義の建立(国重要文化財) |
|
神光門から境内まで真北に真っ直ぐ約300m程伸びている参道
この参道は室町時代に造られ、社殿が一段と高く見えるように掘り下げられたそうです。 |
|
|
社頭 |
|
神社入口に立つ木製鳥居と社号標「土佐一ノ宮土佐神社」 |
|
神社入口右に祀られる境内社:秋葉神社 |
|
|
参道の様子 |
|
境内の様子 |
|
境内右に配されている鼓楼
慶安二(1649)年、二代藩主山内忠義の建立(国重要文化財) |
|
絵馬殿 |
|
左右に翼拝殿を設けた、入蜻蛉という珍しい建築様式の拝殿 |
|
拝所 |
|
拝出 |
|
拝殿内の様子 |
|
右翼拝殿 |
|
左翼拝殿 |
|
拝殿内に建立されている備前焼の宮獅子
阿は慶応2年に木村新七良貞清さんが、吽は平成23年兵庫県姫路市の鬼師・安川清泉さんが建立した狛犬です。安川さんとはメールで何回か連絡させて戴いた関係で、土佐神社にこの狛犬を納入されたことを教えて戴きました。実は今回の土佐旅行は、この狛犬を拝見するのが主たる目的でした。
そのときの安川さんからのコメントです。『あれから7カ月経ちます。1匹しかなかった土佐神社の吽形を作り先日納品してきました。阿形も前足片方が無く包帯をしていたのですが前足も義足を作り修理しています。出来栄えは別にして奇跡的になんとか無事に製作し年末に備前焼の登り窯で12昼夜焼成後窯から出てまいりました。あこがれと尊敬している木村氏と140年の時を超えて私の作った宮獅子と一対になると言う信じられない事が起ころうとしています。本当に応援していただいた方々に感謝いたします。』
阿には繊細さや華美と共に時代を経た落ち着きがあり、吽には力強さと若々しさが感じられ、各時代の名人が精魂込めて造られた作品を拝見できた喜びと感激は一入で、はるばると土佐まで来た甲斐がありました。尚この神社は拝殿内に上がらせて戴くことが出来るので、この素晴らしい狛犬を本当に間近で拝見できます。狛犬探訪の方には滅多にないチャンスですから、是非にもお出かけになってこの狛犬達と対面することをお奨めします。
狛犬の拡大写真はこちらで |
|
|
(阿・慶応2年(1866)丙寅 木村新七良貞清造
吽・平成23年(2011)1月15日 播磨姫路住 安川清泉造) |
本殿(国重文) |
|
|
神饌所 |
|
境内社跡地? |
宝物庫? |
|
|
「志那祢の森めぐり」案内板 |
志那祢の森入口 |
|
|
志那祢の森内に流れる小川に架かる神橋 |
|
ご神木・大杉 |
|
|
志那祢の森の様子 |
|
礫石
往古、大神の鎮座地を定めた時投げられた石です。 |
|
|
神苑 |
|
禊岩
境内西方、しなね川に祀られていましたが、平成11年の河川工事のため、現在は境内東方の神苑で祀られています |
|
|
境内社:巌島神社入口に立つ鳥居 |
鳥居に掛かる額 |
|
|
巌島神社参道 |
|
神池 |
|
巌島神社社殿 |
|
絵馬 |
|
|
|