高知市西久万(平成19年3月31日)
この神社は久万川左岸の中久万地区との境界近くに鎮座しています。略記には、大高坂松熊大神(大高坂松王丸)を鎮祭する日本唯一の神社とありました。明治以降、何処の神社も、似たり寄ったりの有名な御祭神となってしまった此のご時世に、こんなローカルといえばローカルな神社、地域性の強い神様をお祀りしている事は素晴らしいことですよね。
御祭神:大高坂松熊大神
由緒:御祭神は鎌倉時代に土佐中部に割拠、代々大高坂城主であった大高坂氏累代の最後の城主です。この鎮座地は御祭神の御墓所で、御昇神後にこの地に鎮め、「松熊大明神」として崇敬を受け、社殿を造営し祭祀を営み、お城奥より祈願されていたと明細帳にも記されています。昭和21年には高知市役所内に鎮座していた「大高坂神社」を合祭しました。(神社略記抜粋)
もう少し詳しく説明しますと、高知城追手門正面案内板に「高知城はもと大高坂城といい、南北朝時代に大高坂松王丸が南朝に応じ、これに拠って北朝方と戦ったと伝えられる。」とあるように「大高坂松王丸」は南朝の臣で大高坂城の領主でした。延元3年、後醍醐天皇の皇子花園宮満良親王を迎え、南朝のために奔走しましたが、興国2年には大高坂城は陥落し、花園宮は西国に逃げ延び、松王丸は戦死しました。第二次大戦終結までは市役所の構内に大公孫樹があり、その下の小祠が「松王丸の墓である。」という口碑が残され、大高坂神社が建立されましたが、戦災で消失し、昭和21年に久万の松熊神社内に遷座されました。
神社全景 |
入口の昭和6年生まれ、出雲構え獅子土佐バージョン。 本場の物よりふくよかで穏やかな感じがします。 これも土佐というお国柄の為せる技でしょうか? 狛犬の拡大写真はこちらで |
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(昭和6年(1931)12月吉日建立) |
境内入口と拝殿 | 拝殿内の様子 |
本殿玉垣前にいる小さな狛犬。 鬣や尾の大きな渦から土佐狛犬に見えますが、 階段からでも落ちたのか、阿は相当痛んでいます。 狛犬の拡大写真はこちらで |
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(昭和6年(1931)8月吉日建立) |
本殿 | 大高坂神社? |