郡頭(こおりず)神社

高知市鴨部264(平成19年3月31日)

 この神社は国道33号線で鏡川に架かる鏡川橋を渡り、そのまま直進して274号線に入り、120m程先の戻るような道を左にはいると、150mで右側に鎮座しています。式内社で、昭和56年の火災後再興されたコンクリート製の社殿が建つ境内の前面には木々が茂っていますが、社殿脇や後方には少なく、市街地なので致し方ないのですが、もう少し杜が残されていたら、素晴らしい景観になるのに…と思いました。けれど境内や社殿内は綺麗に整備・清掃され、気持ちが良い神社でした。

 御祭神:大國主神
 由緒:延喜式土佐国二十一座の一つで、「続日本紀」に「土佐國土佐郡人神依田公名代等四十一人賜姓賀茂。」とあり、「新撰姓氏録」に「鴨部祝賀茂朝臣同祖大國主神後也」とあることからも賀茂氏一族の当地に於ける繁栄と、大國主神を奉斎し崇敬したことがうかがわれる。明治5年郷社に列し、昭和21年神社制度の変革により神社本庁に所属し、宗教法人となった。
 昭和56年、社殿及び社務所が炎上したが、御神体間近まで燃え迫った炎は自然に消え御神体は御安泰であった。更に、御神体に関する不思議な霊威はこれにとどまらず、社務所神殿に安置された御分霊も、あます所なく焼け落ちた廃拠に無疵で御安泰、仮殿に遷座すべく奉仕した神職共あまりの神威の高さに慄然とした。昭和58年より一年有半を経過した工事により、本殿、幣拝殿、社務所、神庫、境内諸設備等を再建新設した。(境内案内より抜粋)
 郡頭という珍しい社名の由来は、土佐郡家(律令制で、郡司が執務していた所)の所在地だった、土佐郡は土佐國の郡の始め、郡の頭である、鏡川の河内(かわち)が変化した等諸説あるようです。

表参道入口
表参道入口の大正11年生まれの狛犬。
この子達は完全に構えの土佐タイプです。お尻の上がり方が少なく、鬣は大きく渦を巻き、尾は太く短く大きな渦と目立つ線書きがしてあります。体表にも模様が付けられ、臑毛が派手ですね〜。
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(石工・里見 愛明  大正11年(1922)7月吉日建立)
境内入口
境内入口の明治36年生まれの狛犬。構えの土佐タイプで、穏やかな目つきと優しい顔つきの狛犬です。阿の下顎が欠けているのが残念ですが、腰から下肢が力強く、尾が立派です。
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(彫刻師・井上 柳吉  明治36年(1903)3月建立)
拝殿 拝殿内の様子
本殿 裏参道入口
裏参道入口にいる嘉永2年(1849)生まれの狛犬。
社殿に比較的近く、昭和56年の火事で類焼したのでしょうか? 全身が黒く体表がざらついた感じがします。小顔でやや垂れ眼、阿吽共に片前脚が上がっています。全体的に女性的な優しい、美形の狛犬なので惜しいですね。
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(嘉永2年(1849)正月建立)